「シン・ゴジラ」も採用、"4Dシアター"の凄み

振動や香りも、アトラクション化進む映画館

ゴジラとの戦闘シーンでは椅子が激しく動く(C)2016 TOHO CO.,LTD.

スクリーンの中のゴジラが動くと座席が激しく動き、水しぶきが顔にかかる。人々が逃げ惑うシーンでは、椅子の背面から背中をつつくような感覚。首筋や足元に何かが触れるような感触がありビクッと驚く――。

これは、新たな映画鑑賞スタイルとして広がりつつある4Dシアターで、公開中の映画「シン・ゴジラ」を見たときの状況だ。映画視聴というより“映画体感”。ゴジラに遭遇した登場人物の一人になったかのように感じる。

揺れ、水しぶき、香りなど多彩な特殊効果

4Dシアターを提供するシステムは、米国MediaMation社が提供するMX4Dと韓国CJ4DPLEX社の4DX、主に2種類が日本の映画館に導入されている。全国68館のうち12館にMX4Dを導入しているTOHOシネマズの4Dシアターで体感できる椅子では、水しぶきや風、土埃やエンジン、ガラスが割れたにおいなどの香り、地響き、突き上げなど9つの特殊効果が体感できる。加えて、劇場全体の特殊効果として霧と5色の閃光があり、これら11種類を映像と連動させて臨場感を生み出す。

MX4D版「シン・ゴジラ」の特殊効果プログラムを担当したダイナモアミューズメントの小川直樹氏は、「シン・ゴジラでは、監督やプロデューサーなど映画製作者のこだわりのシーンが観客により伝わるように特殊効果を付けた」と話す。ゴジラが動き回るシーンとそれ以外のメリハリを付け、ゴジラの重量感を感じてもらうため、椅子の上下・前後・左右の動きをタイミング良く組み合わせ、ずっしりとした重みを特殊効果で表現した。

ダイナモアミューズメントのエンジニアはMX4Dの椅子に座り、同じシーンを繰り返し見ながら動きの大小や角度などを細かく設定、プログラミング(=演出)していく。1本120分の映画作品のプログラムを組むための製作期間は1カ月から1カ月半、作品の視聴回数はゆうに300回を数える。ちなみに、4DX版の場合は韓国で特殊効果の製作が行われるため、同じ「シン・ゴジラ」の映像でも体感する動きはまったく異なる。

昨年4月のららぽーと富士見(埼玉県)を皮切りに、1年間で12館にMX4Dを導入したTOHOシネマズでは、「家庭では再現できない映画館ならではの映画体験を提供しようと考えた」(企画営業室長の近藤普一郎氏)とその狙いを語る。

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