期待の新人「困ったちゃん」だったらどうする 潜在能力を発揮できるかは組織の姿勢次第だ
では彼らの帰属意識や責任感をどのように育めばよいのでしょう。3つのポイントをご紹介します。
彼らは弱みを見せるのが下手。弱みを見せることは「失敗」であり「負け」だと感じています。でも実際には自分の弱い部分を人前にさらけ出してしまったほうが物事はうまく進み、良い結果につながります。会社は怖いところではなく、仕事は自分ひとりでするものでもないこと、たとえ失敗しても会社がフォローするから大丈夫、とサポートしてあげましょう。
「自分が新人だった頃には、もっとひどい失敗をしたもんだよ」と過去の失敗談を話して聞かせることも、Aさんのような困ったちゃんには非常に効果的です。
社員教育は子育てと同じです。しかるより褒める方が理解力や判断力、モチベーションの促進につながります。一生懸命な姿へは「よく頑張っているね」、失敗した時には「びっくりしたね。でもここから一緒に挽回しよう」と寄り添うことで、頼りがいのある社員に成長を遂げる例を筆者はたくさん見てきました。Bさんにも企画の素晴らしさを共に喜び応援する誰かがいれば、本人の自己愛が健全に満たされエネルギーが良い方向に向かったことでしょう。
かなり根気のいる作業ではありますが、相手の立場に身を置き、物事を考え状況を想像する経験が仕事の全体像把握につながります。Cさんのような社員に対しては、まずその頑張りを認め、丸ごと受け止めてあげること。それによりCさん自身の課題の外在化が進み、目指すところが明らかになり、他人の気持ちや仕事への理解が深まります。軌道修正ができればしっかり貢献してくれる社員となることでしょう。
良いところは褒め、成果を喜びあう
最も大切なことは、本人への期待を丁寧に伝え続けることです。有形無形を問わず「あなたはこの会社にとって大切な存在なんだよ」とのメッセージを送り続けること。そうして生まれたコミュニケーションは間違いなく良い気づきをもたらします。彼らだって会社のために尽力したいと思っているはず。だから少しでも良いところがあれば褒め、小さくても成果を出せば共に喜びあう。そんな姿勢が大切です。
職場における困ったちゃんたちの潜在能力を開花させるには、組織がどれだけ根気強く、愛情を注げるかにかかっています。そこで生まれた信頼関係が個々人の存在価値や強みを確実なものにし、会社全体のエンゲージメント(結びつき)を大きく向上させるのです。
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