スカパーJSAT 統合1年で社長交代
スカパーJSATは、5月13日に秋山政徳会長が新社長に就任する人事を発表した。同社は、昨年4月にCS(通信衛星)のスカイパーフェクト・コミュニケーションズと衛星運営事業者のJSATが経営統合して発足。現社長の仁藤雅夫氏は代表権のない取締役となり、今後は、スカパーの社長に専念するという。
経営統合からわずか1年あまりでの体制変更は異例だ。新会社で初の決算となった2007年度、営業利益は112億円と当初計画を上回りはした。だが、その大半は安定的に利益を稼ぐ衛星事業で、放送事業には課題を抱えている。
中核となる衛星経由の契約数は、アンテナ取り付け無料キャンペーンなど巨額の費用を投じ、積極的な販促策を展開したが頭打ち。新たな販路拡大を狙い主要都市圏で展開する光ファイバー経由の放送も、今のところ低調で赤字が続く。受信機が内蔵されたデジタルテレビ経由での「e2byスカパー! 」が健闘するものの、3サービス合計の累計契約件数は364万件(07年度末)。対して、昨年発表した中期経営計画の契約者目標は11年度末で620万件。目下、中計の見直しを行っており、目標数値引き下げは避けられない情勢だ。
会見で仁藤氏は「競争力をもう一度強化する必要がある。多少時間はかかるかもしれないが、ハイビジョン化やコンテンツの充実などで足腰を固める」とした。どこまで契約を増やせるか。「専念」する仁藤氏の責務は重い。
(中島順一郎 撮影:吉野純治 =週刊東洋経済)
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