"大増税時代"の乗り切り方 賢い相続・贈与から、税務署対策まで

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税理士法人タクトコンサルティングの調べによると、10年における課税割合(課税件数÷死亡者数)は、都内で9.1%で、23区で9.6%。今年ならもっと数字が上がっているはずで、およそ10世帯に1世帯の勘定だ。ちなみに、これが新宿区なら13.1%で、渋谷区なら19.1%、千代田区なら何と27.7%だ。千代田区の人口は4.9万人しかいないが、それでも神田や神保町には古くから住んでいる人がおり、およそ4人に1人以上が対象になる。地方都市も含め、もはや相続税は全く他人事、とは言えないのだ。

都心の家持ちには特例の適用もあり

ただし、今回の改正では増税の方向性は不変の一方、特例の措置も広がった。「小規模宅地特例」の適用拡大だ。これには、都心の資産家層が軒並み“投網”にかかる事態を恐れ、都内選出の自民党議員などを中心に「厳し過ぎる」といった声が反映されたため、とも言われている。

小規模宅地の特例とは、自宅の敷地面積が240㎡までなら、相続税の評価額を80%減にできる措置だ。例えば評価額が2000万円なら、特例の適用で400万円に減らせる。今回の改正では、その面積の対象が、240㎡から330㎡に広がった。330㎡といえば約100坪だから、都心だとかなり大きなお屋敷でもない限り、適用対象になる。

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