三菱東京UFJ銀行 システム統合の高い壁

三菱東京UFJ銀行 システム統合の高い壁

旧東京三菱銀行(以下BTM)と旧UFJ銀行が合併してから2年4カ月。両行の店舗、ATM、インターネットなどの国内勘定系システムの本格統合がようやくスタートした12日、やはりトラブルは起きた。

同日午前7時~11時55分までの間、セブン銀行のATMで旧BTMのカードを利用した顧客への支払いが約2万件ストップ。また、同行以外の六つの提携金融機関の口座を持つ顧客が、旧BTMのATMで入金しようとしたところ、約260件が停止。復旧は夜8時40分ごろまでかかった。

セブン銀行のATMのトラブルは、顧客に取引の記帳を勧めるメッセージを、カタカナではなく漢字で送信したのが原因。また、入金トラブルのほうは、仕様変更の際のプログラムミスだった。

当該利用者にとっては、もちろん迷惑な話。だが約4000万口座、日々の取引量1億件という史上最大のシステム統合にしてみれば、復旧は短時日で済み、被害は小規模だったともいえる。原因不明で処理不能な件数が積み上がった2002年のみずほ銀行のトラブルの二の舞いは、とりあえず回避できた。

「Day2」と呼ばれる今回の統合には、2500億円、11万人月(人数×月数)が投じられ、今年2月以降には大規模な移行演習を含む最終テストも実施された。金融庁もシステム中心に検査してきただけに、仮に大規模なトラブルが生じれば、信用失墜の影響は計り知れない。

作業本番はこれから

だが、実はまだ、気を抜ける状況ではない。両行のシステム統合は、基幹システムを旧BTMのもの(IBM製)に一本化するが、現状では5月に旧BTMの店舗のシステムを新システムに移行したにすぎない。旧UFJ銀の店舗はこれからで、トラブルが生じた際の影響を食い止めるため、地域ごとに期限を分けて導入していくという。

国内勘定系システムにおいては、ATMの365日24時間無休稼働サービスなど旧UFJ側のシステム(日立製作所製)のほうが評価が高く、旧BTM側への一本化には批判も強かった。だからこそ利用者の監視の目も一層厳しくなっている。コンティンジェンシープラン(不測の事態への対応)を含め、正念場はむしろこれからだ。
(大崎明子 =週刊東洋経済)

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