超一流プロゴルファーが実践する心の鍛え方 ミケルソンを強くした「メンタルメソッド」

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3つ目の「コントロール」では、ボールやゴルフをコントロールするためには、感情をコントロールすることが必要と説く。プレー中に感情が高まり、理性を失いそうになったら、まずスピードを制御することが肝要。歩くスピードも呼吸もスローダウンすると感情はおさまってくる。

そして「怒ってもいいんだよ」という許可をあらかじめ自分で自分に出してしまうこと。無感情なロボットのようになる必要はない。怒りのレベルや感度を落とすことさえできれば、それでいいと思うこと。多少の不安は決して害ではない。さらには、アンラッキーは「起こるもの」と自分に言い聞かせること。

小さなミスに激怒して崩れる人の対処法

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ここでラードン博士は、プレー中にしばしば小さなミスに激怒して崩れるLPGA選手とのケーススタディを挙げている。彼女に「真っ赤に燃える石炭を手渡されたらどうする?」と尋ねると、彼女は「投げ捨てる。だって火傷しちゃうから」と答えた。

博士は「ゴルファーも真っ赤に燃える状態になってしまうことはあるが、それは次のショットに臨むまでの間だけにしなさい」と教え、彼女のキャディには「彼女の感情が静まるまでは次打のクラブを渡さないように」と頼んだ。その後、彼女の成績はみるみる安定し、初優勝を挙げたのだそうだ。さらに、プレショット・ルーティーンを一定に保つことも、メンタルコントロールができるシンプルで基本的な手法だという。

舩越 園子 在米ゴルフジャーナリスト

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ふなこし そのこ / Sonoko Funakoshi

東京都出身。早稲田大学政経学部卒業。百貨店、広告代理店勤務を経て1989年にフリーライターとして独立。93年渡米。在米ゴルフジャーナリストとして新聞、雑誌、ウエブサイト等への執筆に加え、講演やテレビ、ラジオにも活動の範囲を広げている。『王者たちの素顔』(実業之日本社)、『ゴルフの森』(楓書店)、『松山英樹の朴訥力』(東邦出版)など著書訳書多数。アトランタ、フロリダ、ニューヨークを経て、現在はロサンゼルス在住。
 

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