エステーvs.小林製薬、消臭芳香剤で火花 ミゲル効果?「消臭力」がトップの「消臭元」を猛追

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震災直後は日本全体が自粛ムードにあふれ、テレビCMの出稿量は激減。その中で、「においのつかないムシューダ♪」のフレーズで知られる防虫剤「ムシューダ」をはじめ、かねて特徴的なテレビCMを打ってきたエステーは、いち早く「日常に戻ろう」という考えのもと、テレビCMを再開した。それが、少年「ミゲル」が熱唱する、まったく商品の詳しい情報が登場しない“不思議なCM”だった。

エステーの仕掛けは、その後も続いた。ミュージシャンの西川貴教氏(T. M. Revolution)のライブにミゲルが出演。その模様を次のCMで使う。CMソングを音楽配信するなど、CMそのものをコンテンツ化し、「消臭力」やエステーという会社のイメージを根付かせる戦略を採った。

手薄だった若い顧客層を開拓

次回のCMの撮影秘話を先出しするなど、ツイッターや自社サイトを積極的に利用したことも功を奏した。エステーにとって手薄だった若い顧客層に響き、「消臭力」のブランドイメージを構築。実際の購買につながったとみられる。

一方の小林製薬も、テレビCMには強いこだわりを持つ。香りの種類、商品の効果的な使い方、においを吸収するろ紙の構造など、1コマ15秒という短い時間にできるだけ多くの商品情報を詰め込む。他方で、バックミュージック(BGM)など余計なものは極力そぎ落とすのが小林製薬流。商品名にすら触れずに終わるものもあるエステーのCMとは、まさに対局的である。

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