日経平均、当面の上値メドは1万2200円台 「会社四季報」発売前に、「先取り98銘柄」教えます

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これに伴い、株価収益率(PER)も上昇。日経平均の予想PERは昨年11月中旬時点で13倍台にとどまっていたが、現在は20倍台に乗せており、割安感は乏しくなってきた。

円安進行にも一服感が出ている。「アベノミクス」による景気本格浮揚や企業業績回復という“理想”だけを手掛かりに、これ以上買い進めるのは難しい。にもかかわらず、株高が続いているのは、多くの市場参加者の目が「リスクオン」の背後にある米国や中国の経済情勢などに向けられているからだろう。

つまり、両国の景気持ち直しの流れに水を差すような悪材料が出てこない限り、日本株相場も年度内は底堅い展開が見込まれる。2008年のリーマンショック前の水準の1万2200円前後が上値メドとして意識されそうだ。

不安材料は欧州経済の動向だ。伊総選挙は、緊縮路線継続の難しさを改めて浮き彫りにした。「ユーロ危機」は「もぐら叩き」のようなものだ。緊縮路線を続ける各国の景気は絶えず、下振れの圧力にさらされている。このため、危機がいったん落ち着いたかと思っても、いずれはどこかの国で問題が噴出するというパターンの繰り返しに陥りやすい。それを受けて、日本株も乱高下する可能性がある。

物色面では、これまでの「循環買い」から、業績などを物差しにした「選別買い」の局面へ移行しそう。4日発売の会社四季報臨時増刊である「会社四季報春号先取り98銘柄」では、15日発売予定の「会社四季報」春号の業績予想や内容をもとに、好業績の有望98銘柄を紹介している。

投資の参考にしていただければ、幸いだ。

(撮影:梅谷 秀司)

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松崎 泰弘 大正大学 教授

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まつざき やすひろ / Yasuhiro Matsuzaki

フリージャーナリスト。1962年、東京生まれ。日本短波放送(現ラジオNIKKEI)、北海道放送(HBC)を経て2000年、東洋経済新報社へ入社。東洋経済では編集局で金融マーケット、欧州経済(特にフランス)などの取材経験が長く、2013年10月からデジタルメディア局に異動し「会社四季報オンライン」担当。著書に『お金持ち入門』(共著、実業之日本社)。趣味はスポーツ。ラグビーには中学時代から20年にわたって没頭し、大学では体育会ラグビー部に在籍していた。2018年3月に退職し、同年4月より大正大学表現学部教授。

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