日経平均、年末1万4500円説も登場

目先の株価に一段高の期待

 

日米首脳会談を乗り切った安倍首相。新日銀総裁もリフレ派になるのか

 

2月25日の東京株式市場は、日経平均株価が前週末終値と比べ276円58銭高の1万1662円52銭と2日続伸、年初来高値を更新した。注目された週末の日米首脳会談で、安倍晋三首相がTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)参加に強い意欲を示したほか、次期日銀総裁候補としてアジア開発銀行総裁で積極緩和論者の黒田東彦氏が有力候補として報道されたことが好感され、日経平均株価は大幅高となった。

日経平均は2月6日にザラ場高値1万1498円をつけた後、1万1000円から1万1500円の範囲で動くボックス相場が続いていた。だが、25日に上値のカベであった1万1500円を終値ベースで突破したことにより、新たな上昇相場が始まる可能性が高まった。野村證券は、年内に日本がTPPの協議に参加しているとの判断にたち、年末の日経平均目標を1万4500円に引き上げた(従来は1万2500円)。

立花証券顧問の平野憲一氏は、「2週間ちょっと続いた日柄調整により、25日移動平均線との上方乖離率が縮小し、過熱感は解消されていた」とテクニカル面での上昇理由を指摘する。今後の展開について平野氏は「昨年11月中旬から2月初旬までのような急騰相場は考えにく、ジリ高基調が続く。ベテラン投資家ほど、カラ売りの誘惑に駆られやすいが、下落基調に転じることは考えにくい。下げたとしても25日線までの調整で済み、同線を大きく下回ることはないのではないか」と見ている。

目先の波乱要因としては25日の日本時間夜にも大勢が判明するといわれるイタリア総選挙が挙げられる。現在の財政再建路線に反対の中道右派が主導権を握れば、株式市場にとってはマイナス影響が出ると懸念される。選挙前には財政再建路線を進める中道左派が優勢と伝えられていたが、終盤になって中道右派が追い上げている模様であり、結果が注目される。

また需給面では、今月28日に設定が予定されている野村日本株投信(ブラジルレアル投資型、豪ドル投資型)の2本の大型投信が、日経平均の足元の強さを支えているとの指摘もある。両投信は順調に資金を集めているようで、目先に買い需要があるという安心感を市場に与えている。だが、逆にいえば28日以降は需給が崩れ、反落となる可能性もある。

「株式ウイークリー」編集長 藤尾 明彦)

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