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デジタル情報、手で触れられる時代へ 石井裕・MITメディアラボ副所長が予測する近未来

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  • 許斐 健太 『会社四季報オンライン』 編集長
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いしい・ひろし 1956年東京生まれ。北海道大学大学院修了。電電公社を経てMITメディアラボに。2001年にテニュア(終身在職権)を授与される。07年4月から現職。

――こうした新たなインターフェースが普及することの意義は何でしょうか。

今、「ビッグデータ」という言葉がホットです。いずれすべての人々がネットにつながり、あらゆる情報がクラウドに蓄積され、アクセス可能になる時代が来ます。ニュースもツイートも、あらゆる情報に索引が付けられ、検索可能になるのです。

情報量が膨大になればなるほど、点ではなく、全体を見えるように可視化することが必要。そのとき、いくら点で表現しても、人間の体の空間とは隔離されています。そこで情報に物理的な実体を与え、可視化して、触れられるように可触化できれば、新しい地平が切り開けます。

ここで言う未来社会というのは、単に物理的空間の制約から解き放たれ、飛行機に乗らなくて済むというレベルではありません。同じ建物内にいても、新しいメディアを使うことで、よりスムーズに情報を共有でき、意思疎通と共同作業ができる。これにより医療、教育、政治経済、あらゆる世界がドラマチックに変わっていくでしょう。

しかし、そこに到達するにはこの先50年かかる。現在のピクセルを中心とした情報のやり取りは、デジタル社会の発展の歴史ではまだ石器時代にすぎません。

未来は一つではない

―― 1人ひとりが未来を描くことの重要性を述べられています。

未来は1つではありません。各人がそれぞれ未来を描き、ぶつけ合うことが重要です。そこにイノベーションが生まれる。産業界の大規模なショーなどで発表される「未来はこう変わる」と描かれたロードマップどおりの未来しかなければ、これほどつまらないことはない。

私がMITで生き残ることができたのも、タンジブル・ビットなどの「山」をゼロから作ったからです。私はこれを「造山力」と表現しています。未来社会も造山力を持てる人が築いていくでしょう。

(撮影:山内 信也)

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