今が行き時!自由旅行解禁のロシアが熱い 円高のこの夏行きたい「ディープな旅」

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おすすめはイルクーツク

初めてロシアに旅行するなら、おすすめはイルクーツクです。比較的日本からも近く、「シベリアのパリ」と言われているほど、街が綺麗でヨーロッパらしさを味わえます。バイカル湖には、イルクーツクから車で3時間くらいかかりますが、ツアーもあって湖で船に乗ることもできますよ。

次点はウラジオストクでしょうか。ウラジオストクの魅力はやはりヨーロッパ風で綺麗なところです。坂の街で、坂の上から眺めると、港と家がぐっと海へ突き出て、綺麗な景観が広がっています。ロシアでは結構大きな街なので、カフェや食べ物屋も充実しており、食事には困りません。日本からは、富山から飛行機で一時間半くらいです。

あとは意外にサハリンもおすすめです。昔は日本だったので、歴史に興味がある人にはいいでしょう。また、サハリンではうまいカニが食べられます。ちょっと小さいけど、非常に安い。暑い時期に行っても食べられますよ。サハリンには日本人街的な建物が今もいっぱいあります。お寺みたいな役所や、宮沢賢治の銀河鉄道の夜のイメージとなった街もあります。

ちょっとディープな家族旅行

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やはり「シベリア鉄道に乗ってみたい」という人は多いでしょう。ただ夏場はすごく混みます。もし夏場のシベリア鉄道に乗るなら、ウラジオストクまで行き、自分で駅に行って列車の切符を買うのがいいですね。終点まで乗らなくても、ナホトカまで、イルクーツクまでなどでもいいでしょう。そこまで乗るだけでも、シベリア鉄道の雰囲気は十分味わえます。

おすすめのコースは、ウラジオストクまで飛行機で行き、そこから列車でイルクーツクへ行くというものです。列車によってはバイカル湖のあたりを夜通るものもありますが、景色もキレイだし、そのコースが夏場は一番いいでしょう。大体それで片道二泊三日です。とにかく眺めが良く、駅でサラダとかデリ、料理・パンを買って、景色を見ながら行くという旅になります。

ここで僕がお勧めするのは、家族旅行です。シベリア鉄道の車内はコンパートメントになっているのですが、4人でコンパートメントがいっぱいになるので、家族連れにちょうどいい。言葉の通じないところに行くという、ちょっとした冒険めいた旅行は、家族の結束を強めるでしょう。特に、「最近全然子どもと接していないな」と思っているお父さんが提案する家族旅行としていいのではないでしょうか。言葉の通じない外国で「こうじゃないか、ああじゃないか」と言いながら、家族で協力して旅行をしていく、そういう経験はすごく面白いと思うし、ちょっとした冒険にもなって、家族旅行にはぴったりです。

シベリア鉄道のコンパートメントをひとつ占拠できれば、鍵を締められるため、安心して寝ることができます。そもそも列車内の治安もいいし、シベリア自体の治安も悪くないので、ひとつ検討してみてはいかがでしょうか。

(撮影:中田浩資)

下川 裕治 旅行作家

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しもかわ ゆうじ

1954年、長野県松本市生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。新聞社勤務を経てフリーに。アジアを中心に海外を歩き、『12万円で世界を歩く』(朝日新聞社)で旅行作家デビュー。アジアと沖縄を中心に扱った著書多数。

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