「新・企業力ランキング」トップ20の推移 自動車、鉄鋼が姿を消し、ITなど内需台頭

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リーマンショック前は?

2008年9月に起きたリーマンショック。その後の円高もあり、勝ち組と負け組の顔ぶれを大きく変えた。そのリーマンショック前の強い業界はどこだったか?

第1回と第2回で目立つのが、自動車。06~07年は、トヨタ、日産、ホンダの3社がベスト10に入っていた。その後の円高進行の中で、順位を下げ、11年からはトヨタも含め、すべての自動車メーカーがベスト20から姿を消している。足元はアベノミクスにより円安に振れており、トヨタの日本事業も黒字化するなど、業績は急回復している。今回のランキングでもランクアップが顕著であり、今後の再度のトップ20入りも期待できそうだ。

もう一つ目立った業界が鉄鋼。新日本製鉄やJFE、住友金属工業など高炉大手が上位に顔を出していた。当時は中国を筆頭に世界経済が急拡大していた時期。産業の基礎素材である鉄のニーズは旺盛である一方、中国などの鉄鋼メーカーの能力増強がまだ追いついていなかった。それが、リーマンショック後は需要の頭打ちの一方、新興国の生産能力が過剰になり、需給が一気に悪化。新生・新日鉄住金が赤字でのスタートとなったのは、国際環境の急変によるところが大きそうだ。

■ランキング算出に使用した財務指標

【成長性】 売上高増減率 経常利益増減率 営業キャッシュフロー増減率 総資産増減率 利益剰余金増減率

【収益性】 ROE(当期利益÷自己資本) ROA(営業利益÷総資産) 売上高営業利益率(営業利益÷売上高) 売上高経常利益率(経常利益÷売上高) 営業キャッシュフロー

【安全性】 流動比率(流動資産÷流動負債) D/Eレシオ(有利子負債÷自己資本) 固定比率(固定資産÷自己資本) 総資産利益剰余金比率(利益剰余金÷総資産) 利益剰余金

【規模】 売上高 EBITDA(税引き前利益+支払利息+減価償却費) 当期利益 総資産 有利子負債

注)EBITDAの支払利息と減価償却費はキャッシュフロー計算書掲載の数字を使用

(撮影:吉野純治)

■CSR企業総覧

企業評価の新たな視座として浸透してきたCSR(企業の社会的責任)。上場企業をはじめ有力1128社におけるCSRの取り組みを、国内最大規模のデータベースから各企業個別に紹介した、日本で唯一の刊行物。

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岸本 吉浩 東洋経済 記者

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きしもと よしひろ / Yoshihiro Kishimoto

1996年東洋経済新報社入社。以来各種企業調査にかかわる。『CSR企業総覧』編集長として、CSR調査、各種企業評価を長年担当。著書に『指標とランキングでわかる! 本当のホワイト企業の見つけ方』など。2023年4月から編集局記者、編集委員、『本当に強い大学』2023年版編集長。

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