「パズドラ」大ヒットの真相 ガンホー森下社長が語った開発の裏側(上)

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もりした・かずき
ガンホー・オンラインエンターテイメント社長CEO兼企画開発部門統括エグゼクティブプロデューサー
1973年生まれ。ソフトウェア開発会社を経て、2000年オンラインゲーム受託開発会社を創業、02年にガンホー・オンライン・エンターテイメントを創業。04年から現職。「ラグナロクオンライン」を日本国内でプロデュース。ゲーム開発の制作総指揮をとり、スマートフォンゲームでは11年「ケリ姫クエスト」、12年「パズル&ドラゴンズ」と手がける。家庭用ゲーム機には「ピコットナイト」など。

パズドラは12年2月20日のサービス開始から、ちょうど1年で900万ダウンロードを突破した。それまでソーシャルゲームの歴史を塗り替えたとされていたコナミの「ドラゴンコレクション」は12年2月時点の登録者が750万人。ここに至るまでに2年5カ月を要したことを考えれば、パズドラはソーシャルゲーム業界で、新しい金字塔を打ち立てたと言ってもいいだろう。

パズドラが大ヒットしている理由は何か。ガンホーは今後、どのような戦略を描いているのか。森下一喜社長兼CEOが本音を語った。

――ものすごい業績の伸びと株価の上昇です。

株価については、非常に高い期待値をいただいていると思っています。期待されることは、それ自体大変ありがたい。ただ、モノづくりと株価は関係ありません。株価を高くするために僕たちはゲームを作っているわけではないし、今も最高に面白いゲームを作るということだけを考えています。

――冷静ですね。

冷めていると言われているかもしれません。僕らは05年3月に上場して、そのときも株式市場から高い評価をいただきました(注:上場時の株価は調整後94万円)。浮かれたつもりはなかったけれども、株価は最近まで低迷していました。そうした経験もあり、株価は気にせず面白いゲーム作りに専念することが、社員の幸せや充実につながると思っています。

ヒットしたのは「運」

――パズドラがヒットした理由は?

運ですね。これをやったから上手くいったんじゃないかという分析は、正直くだらない。僕たちが作っているゲームは妥協せず、すべて魂を込めて作っています。

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