衝撃予測!日本は「2050年の世界最強国」か プレストウィッツが説く「日本復活」の裏側
――本の中で描かれている2050年の日本は、成長率が4.5%、総人口1億4000万人となり、かなりの活力を取り戻しています。日本の技術も世界を席巻していて、日本製のロボットや医療機器が世の中にあふれ、航空機などは三菱製のジェット機が世界の空を飛びまわる光景が描かれていますね。
ええ、しかしそれは予測ではありません。私が本の中で提案した数々の提言を実行に移すことができれば、そのような幸福な未来も実現し得るということを示したものです。したがって、このまま日本が何も手を打たなければ、そのような輝かしい未来とは正反対の未来が待っているでしょう。
しかし、過去の歴史を見ると、日本人は危機を再生の好機にしています。たとえば、明治維新です。危機を契機として日本は早急に近代国家に移行しました。これはきわめて短期間に成し遂げられた革命的変革でした。戦後の復興も同様です。冷戦という外的な幸運に恵まれたとは言え、一気に世界第2位の経済大国へ登りつめました。日本は危機の都度、政治的にも経済的にもより強くなっていったのです。
危機はいつやってきても不思議ではない
――英国のEU離脱や頻発するテロなど、海外に目を向けると、危機は遠くない将来に起こり得そうですが。
おっしゃる通りです。経済的に不安定な社会は、政治的、社会的な秩序不安をもたらします。欧州や中東はもちろん、ロシア、ブラジル、中国といった新興国でいつ危機が生じても不思議ではありません。
また、日本国内もけっして楽観できる状況にはありません。7月の参院選で安倍政権は勝利し、日本社会は安定しているように見えます。しかし、本当に日本は安定しているでしょうか。日銀は異次元の金融緩和を実施し、膨大な量の資金を供給していますが、いっこうに状況は改善されません。一方で債務の累積は膨大な金額へと膨れ上がっています。これは重大な危機の要因となり得ます。
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