予想PERが28.5倍と高いことはやや気になりますが、タイの消費者向け企業には予想PERが40倍程度の企業が多く、それほど割高な水準ではないでしょう。時価総額も約2800億円と手ごろです。前回のアラム・ステラ不動産(時価総額:約1500億円)もそうでしたが、東南アジアの企業に投資する際には、大きな成長が見込める時価総額数百億円~数千億円の企業が適当でしょう。
時価総額が1兆円を越えるような、東南アジアの巨大企業には、事業が多角化しているコングロマリットが多く、効率性の悪さから今後の急成長は期待できません。一方、時価総額が数百億円を下回る東南アジア企業には、信頼性の面で不安が大きいでしょう。
その点、マイナー・インターナショナル社は外食チェーンだけでなく、独自ブランドのアナンタラや、フォー・シーズンズやマリオットといった外資系の高級ホテルブランドで、タイを中心にホテル事業も展開しています。外資系のホテルブランドについてはタイでのフランチャイズ権を保有しており、直近の収益拡大の原動力となっています。
2011年度にはオセアニアや中東で多くのホテルを展開するオーストラリアのオークス・ホテルを買収し、ホテルチェーンのグローバル展開も加速させていくようです。アナンタラのバンコクのホテルには私も何度か宿泊しましたが、1室1泊1万5000円程度のリーズナブルな価格で、一定のレベルのクオリティを提供しており、多くの外国人観光客でにぎわっていました(写真参照)。タイではもちろん、グローバルでも競争力を有していると感じました。
タイの中間層がより豊かになり、消費ニーズが今後多角化していくことが予想されますが、高級ホテルも運営していることで、より高いレベルの消費ニーズにもうまく対応していけるでしょう。タイの中間層の幅広い消費ニーズを的確にとらえ成長するマイナー・インターナショナル社に、ぜひ注目してみてください。
次回は、マレーシアの有望投資先について紹介します。
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