欧米有名外食のFC権持つ、マイナー・インターナショナル
バンコクはジャカルタと異なり、鉄道網も整備されているので、自動車だけではなく公共交通機関を使って、数多くの現地中間層がモールを訪れています。そのため、ジャカルタのモールよりもはるかに混雑しています。タイの有望投資先としては、拡大してきている現地の中間層を顧客基盤としている企業が適当でしょう。
中間層の拡大とともに、市場の成長が見込める消費者向け事業が有望な投資先として浮上してきますが、好調なタイのBtoC企業の中でも収益性、成長性に優れたマイナー・インターナショナル社について詳しく見ていきたいと思います。
同社は、シズラーや、バーガー・キング、デイリー・クイーンなど海外の外食ブランドのタイでのフランチャイズ権を持ち、ショッピングモール内を中心に展開している企業です。
前ページの写真にあるように、マイナー・インターナショナル社の外食チェーンは、家族で外食することが定着しつつあるタイの中間層をうまく取り込み、平日でも店舗は多くの家族連れが訪れます。直近年度で営業利益率は14.1%、ROEは20.0%と高い収益性を誇ります。たとえば日本の外食最大手のゼンショーの売上高営業利益率は5%台、ファミリーレストラン大手のロイヤルホールディングスは約2%にすぎません。このように、外食産業が完全に飽和している日本国内の同業と比較すると、はるかに高い収益性です。
タイでは、2009年~10年にかけてタクシン派と反タクシン派の政治的な対立が激化したという特殊要因があったため、売上・営業利益と共に伸び悩みましたが、2011年以降はどちらも急回復していることからも、マイナー・インターナショナル社が現地の中間層のニーズをがっちりとつかんでいることが伺えます。