「ウナギの管理」が今こそ強く求められる理由 絶滅危惧種を守るために日本が主導すべき
ウナギは重要な日本の食文化だと思う
――日本の食文化を代表するウナギは絶滅危惧種。しかも不透明な流通に支えられている。国際的に見ると、恥ずかしいことかもしれません。
これまで日本人には、あまりそうした意識がなかったのかもしれないが、ウナギという日本の食文化を守っていく上で、大事な課題だ。蒲焼きの専門店に行くと、最近は「外国人の方が増えてきた」という。外国から日本に旅行に来る観光客にも、ウナギのおいしさをわかってほしい。ニホンウナギの食味は独特だし、蒲焼きのタレにも長い歴史がある。老舗の蒲焼き専門店では、「地震が来ようと、火事になろうと、タレだけは持って出るように」と言われているという。ウナギは日本の食文化として非常に大切にしなければならない。
――ニホンウナギの資源の状況を、どう見ていますか。
昭和50年(1975年)代後半以降、日本でのシラスウナギの採捕量は非常に低水準になり、その後も減少の傾向が続いていると認識している。私の出身地である鹿児島県でも、シラスウナギ漁が盛んだが、最近は採れるときと採れないときがあり、日によっては1匹も採れないときもあるとの声を聞いている。河川の改修や親ウナギの放流など、養鰻業者(ウナギの養殖を行う業者)の積極的な取り組みも出てきた。資源管理についてはみんなの意識が非常に高くなっているように思う。ウナギの生態についても、少しずつ解明されており、科学的な裏づけに基づいた資源管理のあり方を考えていくのは大事だ。
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