住宅業界が大混乱 法改正の落とし穴

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住宅の安全性を高めるために施行された改正建築基準法の影響で、住宅業界は大混乱。審査の厳格化には専門家不足がボトルネックとなっている事実も露呈した。(『週刊東洋経済』12月1日号より)

 全国を揺るがした「姉歯事件」を発端とする耐震データ偽造問題を受け、改正建築基準法が今年6月20日に施行された。建物の安全性を高めるため、建築確認の厳格化が盛り込まれた。だが、この法改正が住宅業界などに大混乱を引き起こしている。

 7月の新設住宅着工件数は前年に比べ20%以上もダウン。続く8月、9月も同40%以上の大幅減となった。法改正に伴う確認審査の遅れが主因だ。

 マンション需要の後退に加え、法改正の影響もあり、販売戸数の見直しを余儀なくされたデベロッパーは少なくない。三菱地所は2008年3月期のマンション供給戸数を、当初想定の4300戸から3200戸に大きく下方修正した。東急不動産も同じく3200戸から2800戸へと修正。大京は現在のところ期初の見通しを修正していないが、「審査完了が想定より2~3カ月遅れている」と今後を不安視する。

 裾野が広い産業だけに、混乱の長期化は国内景気をも左右しかねない。問題の背景には何があるのか。

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