中国で勃発、「反アップル運動」のインパクト 「南シナ海裁定」を巡って反米デモ

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アップルは、中国が侮辱の根源と見なす同社の国籍のせいで、最近の抗議活動のターゲットにされた。

オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所は12日、南シナ海の大半に主権が及ぶとする中国の主張には法的根拠がないとの判断を下した。これに対し、中国メディアは、仲裁裁判所を外部勢力の「操り人形」だと呼び、同裁判所に異議申し立てを行ったフィリピンを中国と敵対するように仕向けたとして、米国を非難した。

同裁判所の裁定から1週間後となる19日、中国東部、江蘇省徐州市のケイ寧県で、100人を超える抗議者が非公式のアップル製品販売店4店舗を約3時間取り囲み、同社の正規品を買わないよう顧客に訴えた。

「彼らは『米国製品をボイコットしろ。アイフォーンを中国から追い出せ』と繰り返していた」と、店のオーナー、Zhu Yaweiさんはロイターに語った。「でも実際には何も起こらなかった。衝突も破壊も」

抗議活動の動画は中国のソーシャルメディアで拡散し、アップルに反対するコメントや、同国ではステータスシンボルと見なされるアイフォーンが破壊された写真がミニブログ「微博(ウェイボー)」などにあふれた。

「全くばかげている」

その一方で、中国国営メディアが自制を促したこともあり、アップルを支持するコメントも、同じくらい見受けられた。

「安いナショナリズムで、全くばかげている」と語るのは、上海の弁護士事務所でアシスタントをしている23歳のShan Mimiさん。「でも、(今後発売される)アイフォーン7をくれるなら、喜んで私のアイフォーン6を粉々にする」

ある若い中国人女性はウェイボーで、自分のアイフォーンを破壊したと、壊れた端末の写真と一緒に投稿した。しかしその後、女性はロイターにうそを付いていたと明かした。

「自分のアイフォーンを壊したりはしなかった。インターネットで(壊れた端末の)写真を見つけて投稿し、ストレスを発散した」と、L-Tinと名乗る21歳のこの女性は語った。「アップル製品をボイコットするなんて、失業するだけ。中国人の多くがアップルのために働いているのだから」

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