「猛暑のほうが経済は活性化する」は本当か 気温と企業業績、真の連動性を探る

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最後に、小売業との比較を見てみよう。

 

これも説明は不要かもしれない。相関性はなさそうだ。実際に決定係数は0.01811803であり、やはりあまりに低い。

気温は悪者でも味方でもない

こうやって見ると、猛暑と企業利益率に関係はなさそうだ。私はテレビで解説を付与する仕事(コメンテーター)をする機会がある。さまざまな局も、当然ながら「わかりやすい」説明を求める。視聴者を考えるほど、その姿勢は極端になる。だから、気温と企業業績は、あまりにも「わかりやすい」し、絵的にもすぐれている。だって、猛暑日にビアホールで一杯やっているビジネスパーソンを絵として見せたら、なんとなく猛暑は景気にプラス効果がありそうだ。

しかし、実際には、もっと多様な条件がある。1つの条件では語りきれない。いわゆる、「わかりにくい」説明が、実は正しい。しかし、個々の企業の努力もあれば、社会全体の景気もある。

単純に、猛暑ならOKで、冷夏ならNG、という構図ではない。できるだけ私は、このややこしい、でも、正しい解説を失念しないでおこうと思う。

坂口 孝則 未来調達研究所

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さかぐち・たかのり / Takanori Sakaguchi

大阪大学経済学部卒。電機メーカーや自動車メーカーで調達・購買業務に従事。調達・購買業務コンサルタント、研修講師、講演家。製品原価・コスト分野の分析が専門。代表的な著作に「調達・購買の教科書」「調達力・購買力の基礎を身につける本」(日刊工業新聞社)、「営業と詐欺のあいだ」(幻冬舎)等がある。最新著は「買い負ける日本」(幻冬舎)。

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