まずは目標をスピーキングテストに定めよ
さて、TOEICテストには様々な批判もありますが、リスニング(L)、リーディング(R)、スピーキング(S)、ライティング(W)という4領域に分解して考えるならば、非常によくできている試験だと思います。問題は、経営者や企業の研修担当者がLR一辺倒になっており、皆がLRしか勉強しない状況に陥っていることです。
たとえば、LRで900点とれれば100万円のボーナスを出すという企業があるならば、話したり書いたりする勉強はそっちのけで、リスニングとリーディングの勉強ばかりする人が増えるでしょう。確かにリスニングとリーディングは大切な技能ですが、それだけに偏るのはよくありません。
お隣の韓国では、TOEIC スピーキングテストの受験者数は、年間約25万人です。サムスン電子では、LRテストではなく、スピーキングテストを採用の基準としています。それを目標として、大学生や社会人は、英語を話す訓練をよくやっていますし、学生やビジネスマンの英語を話すスキルも大きく向上しています。ここから数回にわたって、今後、ビジネスマンのスピーキング能力の判定手段のメインストリームになると予測される TOEICスピーキングテストを目標とし、英語プレゼンや会話の能力を身に付けていく方法について述べていきたいと思います。
もちろん、テストに向けて勉強するのは、英語学習の理想とはいえません。外国で実際の英語を使う業務に携わるなどして、経験から学ぶのが最高の方法でしょう。しかし、日本のように、英語を用いる直接的な必要性を感じにくい国では、テストの持つ意味は大変大きいと思います。
英語での直接体験を得る事ができない多くの人は、テストに向けて勉強します。だからこそ、テストの偏りをなくすことが大変重要なのです。そして、現在最も重視され始めているスピーキングの力を試すテストこそが目標となるべきなのです。
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