子なし夫婦「私は夫を尊重して産まなかった」 それでも掴んだ、彼女なりの幸せ

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学生時代からの女友だちの間で「一番派手な結婚式を挙げそう」と言われ、自身でもそう思っていたが…

少子化の今、産まないという考え方は“悪いこと”なのだろうか。

多くが出産を望み、命が生まれることは素晴らしいことだ。しかし、“産まない”という選択肢を選ぶことも否定はできない。決して子供が望めない体でもない、嫌いなわけでもないが、産む決断と同じように、産まない決断をする女性も増えている。

「東京カレンダー」(運営:東京カレンダー株式会社)の提供記事です

これまで、20代にして産まないことを決意した和香(29)DINKSでいることを選んだ真奈美(36)独身を謳歌しているバツイチの恵美(43)結婚15年目を迎えた香織(46)20代から38歳までの人生を振り返った雪乃を紹介した。

今回は夫の意思を尊重して、産まないことを選んだ美和子(43)を紹介しよう。

子供を作るより、彼と過ごす人生を選びたかった

美和子は34歳の時に9歳年上の真治と結婚した。出版社で書籍の編集をしている美和子と、外資系メーカーに勤める真治は、2年間の交際期間を経て、ハワイで身内だけの式を挙げ、日本に帰ってから小さな披露宴を開いた。

それぞれの年収は美和子が1300万、真治は1600万とゆとりがある上、美和子は、学生時代からの女友だちの間で、「一番派手な結婚式を挙げそう」と言われており、若かりし頃の彼女もそのつもりでいた。だが実際は、決して派手ではなくむしろ控えめな披露宴で済ませた。

理由はシンプルで、真治にとっては2度目の結婚式だったからだ。彼は美和子と結婚する5年前に離婚しており、一人息子もいた。

真治とは友人を介して何度か顔を合わせるうちに親しくなり、デートを重ねるようになった。彼の離婚や息子のことは、初めのデートで聞いていた。年齢的に、結婚も意識していたからやはり、彼の事情が気にならなくはなかった。バツイチの相手との結婚を想像したことはなかったのだ。

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