オリンパス株上昇 再生へ残されたカギ デジカメと医療事業の行方
粉飾決算で一度は地に落ちたオリンパス。新体制発足から半年が経ち、株式市場からの評価が高まっている。
粉飾決算が発覚した2011年11月に400円台まで下落した株価は足元で2000円台まで上昇。年明け以降、大手外資系証券が軒並み目標株価を引き上げており、中期的には粉飾発覚前の2500円水準も視野に入ってきた。
1月14日にオリンパスの投資判断を従来の「中立」から2段階引き上げ、強い買い推奨を示す「コンビクション買い」としたゴールドマン・サックス証券の播俊也投資調査部マネージング・ディレクターは「市場シェア7割を握る消化器内視鏡で、6年ぶりとなる新製品発売の効果が大きい。米国医療機関の設備投資意欲の回復も追い風だ。円安で輸出企業の株価が全般的に好調だが、事業の成長性を伴っている企業として特に注目している」と話す。
特設注意市場銘柄に指定されているオリンパスは1月21日に内部管理体制確認書を東京証券取引所に提出。数カ月内に指定が外れるとの思惑から、これまで投資を控えていた機関投資家も熱視線を送る。
オリンパスは旭化成最高顧問の蛭田史郎氏や花王前会長の後藤卓也氏など社外取締役が半数を占める体制に移行。元社長の菊川剛ワンマン体制から一変し、「会議は従来の2倍以上の時間をかけて議論し、時には2時間を超えることもある」(オリンパス関係者)。これまでに本業と関係の薄いITXなどの売却を次々に断行してきた。大株主の一社である米インダスキャピタル傘下の投資助言会社のハワード・スミス代表は「実績が豊富な社外取締役のプレッシャーが利いている」と評価する。