「ディズニー」へ「ユニクロ」が出店したワケ 国内は「低価格」路線へ復帰、その成否は?
これだけの大型店を立ち上げるのはワケがある。ユニクロはすでに米国で44店を展開しているが、実はまだ赤字の状態にある。
ニューヨーク、シカゴといった主要都市に構える大型のグローバル旗艦店は認知されてきている。しかし、ニュージャージー州やコネチカット州などの郊外のモール店では、ユニクロのブランド認知度がまだ低い。
特にアジア人が少ない地域の店では、苦戦を強いられ、閉店を余儀なくされる店舗もある。また、店舗数を急速に増やしたため、店舗のオペレーションや商品、サービスの水準が日本に届いていない、という反省もある。
今2016年8月期、米国では新規7出店を計画している。が、その一方で、すでに5店舗を閉鎖している。これらの店舗閉鎖などで減損約40億円を計上する。
世界一のアパレル市場である米国の攻略はユニクロにとって悲願だ。今期からは、世界中の精鋭を米国に派遣し、改善に取り組む。
米国事業の再建のためにも、ディズニー・スプリングス店を成功させ、米州でのユニクロのプレゼンスを高めていくことは喫緊の課題だ。
ユニクロの魅力はやはり安さ?
7月14日、ファーストリテイリングは2016年8月期第3四半期決算を発表した。増収ではあるものの、減益という厳しい結果だった。
売上高は前年同期比6%増の1兆4346億円、営業利益は同23%減の1458億円だった。
だが、第3四半期のみ(3~5月期)を見ると、前年同期に比べ、増収増益の好決算だった。上期(2015年9月~2016年2月)の減速が足を引っ張った形になった。
主力の国内ユニクロ事業もファーストリテイリング本体と同様、第3四半期累計は売上収益が前年同期比1.1%の微増、営業利益は同18.1%減という増収減益だった。
が、直近3カ月だけ見ると、売上高が前年同期比4.4%増、営業利益が同19.7%の増収増益となった。春物商品の立ち上がりが順調に推移したうえ、機能性肌着エアリズムやスポーツ商品の販売が好調だったことから、既存店売上高が2.8%増とプラスに転じている(上期は同1.9%減)。
直近3カ月が上向いているのは、今年の2月から始めたEDLP(エブリデー・ロープライス)戦略への転換が奏功しつつあるため。以前は、週末に値引きセールを行うことが多く、平日との価格差があった。それを2月以降は、平日も週末も、1990円や2990円(いずれも税別)といった、わかりやすい価格に統一するようにした。週末限定の値引きセールは、頻度をかなり減らしている。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら