唯一無二のビジネスモデル フルヤ金属の真骨頂

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有卦(うけ)に入るリサイクル 財務基盤にやや不安も

ターゲット材の寿命は2~3カ月程度。垂直磁気方式用が本格化し始めた昨年は新規注文が中心だったが、摩耗したターゲット材が顧客から戻ってくるようになり、09年6月期ごろにはリサイクル主体へと切り替わっていく見込みだ。そうなればフルヤの“真骨頂”発揮である。

ハードディスクの世界では、垂直磁気方式の背後に、パターンドメディアなど次の記録方式も控えている。リーマン・ブラザーズ証券化学担当アナリスト、山田幹也氏は「新方式に移っても、ルテニウムの使用量が減る可能性は極めて低い。ルテニウム・ターゲット需要は少なくとも3年は伸びるだろう」と見る。

一方化学業界では、太陽電池用のルテニウム触媒など、ルテニウムの新たな需要先も生まれつつある。「2010年以降は、ノーベル化学賞受賞の野依良治教授が発明した医薬品、香料等製造用のルテニウム触媒も動き出すことを期待したい」(郷文明取締役営業本部長)と、経営陣の夢は膨らむ。

ただ、一点、懸念は財務基盤のもろさだ。08年12月中間期末時点で、同社の現預金は9億4000万円。それに対し有利子負債は112億円と、05年6月期末に比べ倍増した。総資産に占める割合(有利子負債依存度)は45%に達する。HDDなどデジタル家電の需要拡大に合わせ、土浦に新工場を建設するなど、設備投資額はこの2年だけでも40億円を優に超える。“攻めの経営”の代償がバランスシートをいびつな形にしているのが現状だ。

会社側は「現金同等物として、簿価の低いレアメタルをかなりの量所有しているから心配ない」(郷取締役)と説明する。が、今後棚卸し資産の評価方法が変更された場合などは流動的な要素となりかねない。

ベンチャー魂で困難な道を切り拓いてきたフルヤ金属。新しい成長ステージへ移行することで、今後は、“挑戦”と“安定”を両立する舵取りの技量も求められていく。
(桑原幸作 撮影:風間仁一郎 =週刊東洋経済)

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