えっ、「PARCO」の「R」がない?渋谷で何が 8月7日、かつての若者の聖地が消える

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2019年秋にはオフィスを伴った新しい商業施設に生まれ変わる予定。新名所となるか(イメージ図、会社提供)

これから逆風となりそうなのが、衣料品の消費低迷だ。総務省の家計調査によれば、2015年に日本人が衣料品にかけた金額は、1995年比で60%の水準にまで落ちこんだ。パルコの2016年2月期も、地方郊外型店だけでなく池袋店などの都心大型店まで、衣料品が苦戦。今2017年2月期も、滑り出しの2~4月で婦人服が前年同期比9%減、通期でも下げ止まらずに、会社の業績予想は未達となる可能性が高そうだ。

渋谷パルコの場合、足元は4期連続増収と、ほかの店舗と比べると好調だが、押し上げ要因はやはり衣料品ではない。2016年2月期は訪日外国人観光客(インバウンド)需要が売上高の11%を占めた。さらには10代~20代女性を中心とした、「オタク」の需要にも助けられている。2012年、DCブランドのテナントが入っていた6階を大規模改装し、人気アニメのキャラクターショップなどを入れたフロアを新設して以来、堅調に客数が伸びているからだ。こうしたインバウンド向けやアニメ関連など、新たな成長カテゴリーが生まれてはいる。

今回の建て替えは、今後のパルコらしさとは何なのかを、再定義する機会になりそうだ。新生・渋谷パルコが再び、文化の発信拠点と呼ぶに足る、名所として戻ってくるか。

印南 志帆 東洋経済 記者

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いんなみ しほ / Shiho Innami

早稲田大学大学院卒業後、東洋経済新報社に入社。流通・小売業界の担当記者、東洋経済オンライン編集部、電機、ゲーム業界担当記者などを経て、現在は『週刊東洋経済』や東洋経済オンラインの編集を担当。過去に手がけた特集に「会社とジェンダー」「ソニー 掛け算の経営」「EV産業革命」などがある。保育・介護業界の担当記者。大学時代に日本古代史を研究していたことから歴史は大好物。1児の親。

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