日本電産、スマホ躍進に翻弄 上場以来初の“減配"に

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連結子会社である日本電産コパルのデジタルカメラ用モジュールも伸び悩んでいる。スマホの普及が進んだことで、コンパクトデジカメ市場が想定以上に停滞。デジカメ向けのシャッター、ズーム用モーター、金属外装品などを生産する工場の操業度が著しく悪化した。

かねて注力している、車載や産業用など中型・大型のモーターは徐々に伸びているが、精密小型モーターやデジカメ用部品の減少を補いきれなかった。

来期復活へ構造改革費用400億円

日本電産の今期の大幅減益は、構造改革に起因する部分が大きい。第4四半期(13年1~3月期)には構造改革費用として400億円を織り込んでいる。内訳は、工場生産設備の減損処理などで360億円、海外の人員適正化などで40億円。キャッシュアウトは後者の40億円のみとなる。減損処理により、生産設備の稼働損(今期は下期に100億円を織り込んだ)は、来期以降発生しない見込みだ。

また、国内外で営業拠点の統廃合も検討する。

デジカメ向け製品が柱となっている日本電産コパルは、スマホや2輪車、車載関連製品へ事業ポートフォリオを転換するとともに、アジアなど海外での営業体制を強化し、生産も適正水準となるよう集約する方針だ。

来14年3月期もパソコンやデジカメ市場は停滞が続くとみられるうえ、新興国などの営業強化もすぐに効果が出るわけではない。ただ、今下期に計上する構造改革費用400億円はなくなり、工場稼働損も減少すると想定されることから、来期の営業利益は底入れする可能性が高い。

(写真は永守重信社長、撮影:ヒラオカスタジオ)

前野 裕香 ライター

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まえの ゆか / Yuka Maeno

1984年生まれ。2008年に東洋経済新報社に入社し記者・編集者として活動した。2017年にスタートアップ企業に移り、広報やコンテンツ制作に従事。現在はフリーランスライターとしても活動中。

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