アップルの“成長神話"は崩壊したのか 日本では絶好調も、伸び鈍化で株価さらに急落
ここから推測できることは2つある。
1つはアップルが苦戦している市場では、サムスン電子が急伸しているという事実だ。EU地域のスマホ市場におけるサムスンのシェアは5割近くに及び、アイフォーンとはダブルスコアの差が付いている。欧州で地歩を固めたサムスンは、今度はアップルのホームマーケットである米国市場でのシェア拡大を目指している。
米国で契約者数1位のキャリアであるベライゾンのホームページによると、アイフォーン5は2年契約で約200ドル。サムスンのフラッグシップであるギャラクシーSⅢも同じ価格だが、99ドルから299ドルまで幅広いラインナップを展開している。このラインナップこそがサムスンの強み。シェアを拡大させているところだ。
日本におけるサムスンの存在感は欧米と比べると格段に低い。国産アンドロイド機がたくさんある中でも、アイフォーンは圧倒的なシェアを維持できている。そのことが、日本の売り上げが大きく伸びた理由だろう。
もう1つが直販店政策の混乱だ。直販店アップルストアの責任者が頻繁に変わったこともあり年末商戦で効果的な戦略を打てず、本来の力を発揮できなかった可能性がある。「ワクワクするような商品」がなくなっていることも影響しているだろう。アップルは自社の世界観をユーザーに知らせるために、直販店を設けているが、あえて手に取らなくても理解できるような商品ばかりになれば、あえて直販店に行く必要がなくなる。もちろん、最新デスクトップのiMac発売が12月末ギリギリになってしまったことも影響しているはずだ。
アイフォーンは低価格モデルが必須
こうした傾向からアップルが取るべき戦略は自然に見えてくる。アイフォーン低価格モデルの早期投入について、今回の決算発表の席でもアップル側は強く否定したのだが、やはりアイフォーンのラインナップ拡大が必須だ。
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