新型「ベンツAクラス」に乗ってみた 輸入高級車ブランドがコンパクトを攻めるワケ
内外装の高級感だけでなく走りの質感に味がありながらも、エンジン排気量や車体サイズは控えめ。価格もそれなりに高い――。ベンツをはじめとする欧州勢は、こうしたプレミアムコンパクトが強い。BMWの「1シリーズ」「MINI」、アウディの「A3」などがそうだ。
一方、国産車にはプレミアムコンパクトに当たるモデルがほとんど見当たらない。あえて挙げるとトヨタの高級車ブランド「レクサス」の「CT200h」ぐらいだろうか。
ここが日本車の弱点に見えて仕方がない。
日本車メーカーを縛っているのは、「車格」という概念だ。エンジン排気量、車両サイズ、装備、高級感、価格。ボディタイプを別にすると、日本車はこれらの要素が等しく正比例する傾向が強い。エンジン排気量に応じてボディサイズ、装備、内外装の質感を横並びにしているきらいがある。日本勢同士でライバルメーカーに併せた対抗モデルを投入し合っている分野も少なくない。
消費者は飽きていないか
そんな日本車の商品ラインナップに、消費者も飽き気味なのかもしれない。「プレミアム」とまでは言い切れないが、2012年の車名別販売台数ランキングで、トップ2を独占したトヨタ自動車の「プリウス」や「アクア」といったハイブリッド専用車の人気が高いのは、こうした「車格」から離れた価値観の提供により、評価されている面もありそうだ。
実は、メルセデス・ベンツはBクラスの6年ぶりのフルモデルチェンジ効果も手伝って、2012年の日本における販売台数(新規登録台数)は4万1901台と前年比26%増、輸入車全体(前年比17%増)を上回り、日本のベンツとしては過去20年間で最高の伸び率となった。