消費者物価上昇率2%達成の手段は見えず 安倍政権と妥協、日銀・白川総裁が会見
準備預金への付利の維持や、共同声明への書きぶりなどで、日銀の主張を通す一方、納得感のないまま、政府が要求した2%の物価目標と将来の基金枠拡大を飲んだ印象が強い。
財政ファイナンスと見られる恐れにたびたび言及
以下は、決定会合後の白川総裁記者会見での主な質疑応答。
Q 共同声明について。
A 日本銀行は強力な金融緩和を推進している。大胆な規制制度改革など、共同声明に記載された成長力の強化へ向けた政府の取り組みがシッカリと実行されれば、金融緩和の効果はもっと出ると期待している。また、持続可能な財政構造の確立に向けた取り組みが着実に推進されることを期待している。
日本銀行による大量の国債購入が内外で、日本銀行による財政ファイナンスと認識されれば、長期金利が上昇し、かえって金融緩和の効果が殺がれるし、金融機関経営への悪影響が面される。その意味で、政府との連携は必要である。
Q 1%が見通せない段階で2%の目標を置く理由と実現可能性は?
A 過去を振り返ると、バブル期の1980年代後半の5年間の消費者物価上昇率の平均が、1.3%、1985年以降2011年までの平均が0.5%。2と言う数字を達成していくためには、相当思い切った政策が必要。日本銀行の金融緩和策とあわせて幅広い経済主体の成長基盤強化へ向けた相当な努力が求められる。
Q 2%達成への手段は?
A 中央銀行の手段は基本的に、金融市場から資産を買入れるということ、資金を貸し付けるということだ。資産買入れについて期限を定めないとしたのは、物価目標のできるだけ早い実現を意識した場合に、そのほうが効果的と判断した。
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