日本では「サンダース旋風」が絶望的な理由

若者は不満の種に事欠かないはずだが…

現在の社会保障制度において、45歳未満の人は、自身が受け取る給付金よりも多くの額を支払うことになる。膨大な債務残高のせいで、受給額と支払額のギャップは、20歳未満だとさらに大きくなる。また年長者と比べると、不安定な職や低賃金から抜け出せない若者が多い。

各政党は、大学奨学金への補助金から保育所の増設まで、それぞれの世代に特化した公約も掲げている。

しかしながら、こうした公約の数々が、高齢者に対する給付金削減抜きに実現可能かどうか、どの政党も明らかにしていない。安倍晋三首相が消費税増税を延期した後ではなおさらだ。

富裕層がより多くを負担する制度へ

自民党の稲田朋美政調会長はロイターに対し、日本は若者の負担が大きすぎる現在の社会保障制度から、年齢に関係なく富裕層がより多くを負担する制度へとシフトすべきだと語った。

若者の離脱は、すでに巨大な債務残高をさらに増大させている社会保障制度における改革が、激しい逆風に直面していることを意味する。

「全ての政党が消費税率の引き上げを延期しようと言っている。お金がないから我慢しようと誰も言えない」と、原田代表は言う。

日本の若者は、学校でほとんど政治に触れていない。これは、政治活動のイメージを悪くさせた1960年代の暴力的な学生デモが残した「遺産」なのかもしれない。

各世論調査は、若者は年長者より、保守的な自民党に一票を投じる可能性が高いことを示しており、これは日本社会の主流に漂うリスク回避の風潮に沿うものだ。

学生団体「SEALDs」は、草の根活動によってリベラルな有権者が一票を投じることを期待している。同団体の創設メンバーの一人、奥田愛基さんは、「地元がなくなる。子育てもできなくて、未来がない。ぜひ選挙に行ってほしい。声を出すことは全然恥ずかしいことではない」と、最近都内で行われたイベントでこう呼びかけた。

だが、こうした訴えもほとんど届いてはいないようだ。

「あんまり分からない。関係ない」と、イベント会場近くにいた20歳の男性は肩をすくめてこう語った。

(Linda Sieg記者 翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)

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