日本では「サンダース旋風」が絶望的な理由

若者は不満の種に事欠かないはずだが…

前回の国政選挙で、60代の投票率が68%だったのに対し、20代の投票率はその半分にも満たなかった。その背景として、信頼するに足る政策の選択肢がないと認識されていることや、若者への政治的アプローチの弱さ、そして政治活動と言えば、1960年代の暴力的な学生運動のイメージがいまだに根強いことが挙げられる。

参院選を控え、自民党など各政党は、一見すると、若者、特にティーンエージャーに向けてアピールを行っているようだ。

自民党は「国に届け」という漫画を掲載した政策パンフレットを制作。主人公は、格好いい男子生徒の気を引こうとして投票に興味をもつようになる女子高生だ。人気少女漫画「君に届け」に似たタイトルの同パンフレットは、インターネット上で一部から男尊女卑と酷評された。

一方、野党・民進党はウェブサイト「VOTE18」を開設し、10代のモデルらに行ったインタビューなどを掲載している。

しかしこのような試みは、若い有権者の心にあまり響いていないようだ。

若者と政治家をつなぐことをコンセプトにしているNPO法人「YouthCreate」の原田謙介代表(30)は、政治家があらゆる経験、知識を持っているかのように振る舞っており、「(若者と)同じ目線で話していない」と指摘する。

聞く耳持たず

意見や投票において、力のある年長世代に圧倒されていると若者が感じているのは、もちろん日本に限ったことではない。英国が国民投票で欧州連合(EU)離脱を決定したことは、残留を支持する多くの若者の怒りを買っている。だが、高齢化が急速に進む日本の場合、問題はさらに深刻である。

日本のメディア報道によると、自民党の小泉進次郎議員は、新たに選挙権を得た18歳、19歳の全有権者に占める割合が約2%であることに注目し、英国民投票の結果も2%の票で変わっていた可能性を指摘して、街頭演説で若者に一票の重みを訴えた。

多くの日本の若者が、現在の政策下で不当な扱いを受けていると実感している。

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