米国の次期大統領の候補者として、共和党はドナルド・トランプ、民主党はヒラリー・クリントンがそれぞれ指名確実になった。7月に開催される両党の大会まで、これまでの選挙キャンペーン中に形成されたイメージの問題点を修正する試みが行われる。副大統領候補選びもその修正の一助になる重要なイベントだ。
そんな中、フロリダ州オーランドで惨劇が起きた。6月12日未明、銃乱射事件が発生し、50人が死亡、53人が負傷するという大惨事となった。米史上最悪の銃乱射事件と言われている。
勢いに乗るトランプ
この惨劇は、トランプには追い風だ。犯人はアフガニスタン系米国人でイスラム教徒であったことから、かねてからイスラム教徒の移民制限を主張していたトランプはいち早く声明を発表。「米国がイスラム過激派テロリストの攻撃を受けた」「犯人はアフガニスタンからの移民の息子だ」などと述べつつ、あらためて米国はイスラム系移民の受け入れを厳格化すべきだと強調した。
トランプは政治経験がないために世論調査ではこれまでクリントンにリードされがちだったが、今回の事件はトランプの主張に格好の補強材料となり、トランプは優位に立つことになるだろう。
しかし、米国の政治情勢はそれほど単純ではない。大統領選挙への影響についてはさまざまな角度から、じっくり見ていく必要がある。とくに次の諸点に注目すべきだ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら