パリの夫婦に「子ども優先」なんて呪縛はない 両親を見て、子は大人の世界に胸を膨らます

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フランスには、「子どもの日」なんて国民の祝日はありません。日本のように、大人が身を削り、子どもが甘やかされる慣習のなかでは、子どもは大人になるのを無意識に拒否するのではないでしょうか。

スポイル(spoil)の意味は「道具を役に立たなくする」とか「食物を腐らせる」ことですが、語義には「甘やかして子どもの性格をダメにする」という意味が含まれているのです。

早く大人になりたいと自然に胸を弾ませる社会

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日本はいま、かつてない少子化時代が継続しています。つまり、男女のエロスのヴォルテージが依然として減少しています。そんななか、ほんとうに子どもを大切にするというのは、彼らをスポイルして子どものままに滞留させるのではなく、彼らをちょっとエッチな世界へと誘い、訓練することだと思います。

「人生の中で子どものころがいちばん楽しかった」と振り返ってばかりいる大人は、退嬰的で寂しいではないですか。

人生の愉悦は大人になってこそ味わえるもの。人間として成熟する愉しみを子どもたちに知らせるのは、大人が負うべき責任です。子どもたちが早く大人になりたいと自然に胸を弾ませる社会は、それだけで明るい未来を呼び込む「センシュアルな社会」なのです。

岩本 麻奈 皮膚科専門医

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いわもと まな / Mana Iwamoto

一般社団法人・日本コスメティック協会代表理事。ナチュラルハーモニークリニック顧問医師など。東京女子医科大学卒業。慶應病院や済生会中央病院などで臨床経験を積んだ後、1997年に渡仏。美容皮膚科学、自然医学、抗老化医学などを学ぶ。現在は、パリの中心に居を構え、欧州大手製薬会社やコスメメーカーなどのコンサルタントを務める傍ら、さまざまなメディアを通して美容情報を発信中。3人の成人した息子がいる。著書は『女性誌にはゼッタイ書けないコスメの常識』『パリのマダムに生涯恋愛現役の秘訣を学ぶ』ならびにその携書版である『生涯恋愛現役』(以上ディスカヴァー・トゥエンティワン)など多数。オフィシャルブログはこちら

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