パリの夫婦に「子ども優先」なんて呪縛はない 両親を見て、子は大人の世界に胸を膨らます
フランスには、「子どもの日」なんて国民の祝日はありません。日本のように、大人が身を削り、子どもが甘やかされる慣習のなかでは、子どもは大人になるのを無意識に拒否するのではないでしょうか。
スポイル(spoil)の意味は「道具を役に立たなくする」とか「食物を腐らせる」ことですが、語義には「甘やかして子どもの性格をダメにする」という意味が含まれているのです。
早く大人になりたいと自然に胸を弾ませる社会
日本はいま、かつてない少子化時代が継続しています。つまり、男女のエロスのヴォルテージが依然として減少しています。そんななか、ほんとうに子どもを大切にするというのは、彼らをスポイルして子どものままに滞留させるのではなく、彼らをちょっとエッチな世界へと誘い、訓練することだと思います。
「人生の中で子どものころがいちばん楽しかった」と振り返ってばかりいる大人は、退嬰的で寂しいではないですか。
人生の愉悦は大人になってこそ味わえるもの。人間として成熟する愉しみを子どもたちに知らせるのは、大人が負うべき責任です。子どもたちが早く大人になりたいと自然に胸を弾ませる社会は、それだけで明るい未来を呼び込む「センシュアルな社会」なのです。
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