B787ショック、冷や水浴びるGSユアサ “世界初"の航空機向けリチウムイオン電池から発煙

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GSユアサは2004年にYUASAと日本電池が統合した純粋持ち株会社で、鉛蓄電池で国内首位、世界3位級の実力を持つ。直近2012年3月期の連結売上高は2854億円、営業利益は160億円。自動車用電池は日本車メーカーを主要顧客に、新車・補修用を手掛ける。乗用車のエンジンルームの中にあるバッテリーで、そのロゴを目にしたことがある人も多いだろう。産業用鉛蓄電池はフォークリフト用、電源装置用で展開。特にビルのバックアップ電源などの電源装置は、国内市場をほぼ独占している。

最近、育成に力を入れているのが電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)に搭載される自動車用リチウムイオン電池だ。その技術を航空機向けにも応用して実用化に成功。第1弾がB787で、航空機向けには世界で初めての採用となった。なお、自動車用のリチウムイオン電池は、新設した栗東工場(滋賀県栗東市)で主に作っており、B787向けとは、別のラインとなる。

仏タレス社を経由してボーイングに納入

B787向けのリチウムイオン電池は、GSユアサで製造し、フランスのタレス社に供給。タレス社がシステムとして組み立てて、ボーイングに納入している。

リチウムイオン電池は、正極と負極の間をイオンが行き来することで放電と充電が行われる仕組み。小型で軽量という特徴を生かし、携帯電話やノートパソコンなどモバイル機器用の電池として、爆発的に普及した。これが、日産自動車が世界に先駆けて量産したEV「リーフ」をはじめ、自動車向けで本格的に使われ始めたのが、ここ2~3年のこととなる。

これまで航空機には、ニッカド(ニッケルカドミウム)電池が使われていたが、B787はボーイングが機体の軽量化を狙って、リチウムイオン電池を航空機として世界で初めて使うことになった。リチウムイオン電池とニッカド電池と比べると、サイズや重量で2~3倍の差があるようだ。

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