頭痛、肩こり、腰痛の原因は「舌」かもしれない

噛み合わせの悪さが引き起こす体調不良

以前、右下の歯が舌側へ倒れ込むように生えている症例を目にしたことがあります。舌は刺激を避けるために、左へ逃げるようになり、それにともなって下あごも左へずれていました。大きな歪みが生じ、頭痛や腰痛などの体の不調も抱えていました。

歯のアーチが小さく、歯が直立して生えることができずに舌側に倒れ込んでいる症例の治療にあたったこともあります。舌に歯がめり込んでいる状態のため、舌が受けるストレスが相当なもので、不定愁訴の症状も重度なものでした。

戦後、食生活が改善し、飽食の時代に突入したことにより、現代人の歯は変化しました。そのさまざまな変化により、現代人はあごのズレを引き起こしやすくなっています。

あごのズレを引き起こす原因

あごのズレを引き起こす原因は以下の4つが挙げられます。

①歯が大きくなった

現代は栄養状態がよくなったため、日本人の平均身長は50年前に比べて1.08倍になり、それにともなって歯も大きくなりました。歯が大きくなれば、必然的に舌の収まるスペースは狭くなり、舌へのストレスは増大します。

②あごが細くなった

食生活の変化により、噛む回数が減ったことで、現代人のあごは細くなりました。現代人の咀嚼回数は縄文時代の7分の1にまで減っています。あごが細くなったことで、舌の収まるスペースはますます狭くなっているのです。あごが小さくなったため、歯がきれいに収まらず、舌側に倒れ込んでしまう傾向にあります。

③歯が尖っている

現代人はやわらかいものを食べる機会が多いため、歯がすり減らずに尖っている傾向にあります。歯が尖っていると、舌は口の中でつねに緊張状態になり、下あごのズレにつながるのです

④舌の肥大化

現代では、熱中症や健康維持のために水を飲むことを勧める傾向にあります。水を飲むこと自体はいいのですが、舌は血管が豊富な組織のため、体内の水分量に敏感に反応します。水分過多になると、舌も大きくなる傾向にあります。

このように、現代の食生活の変化により、舌が置かれている口内環境は悪化の一途をたどってきました。舌の収まるスペースが狭くなり、さらに舌の肥大化も相まって、下あごのズレが引き起こされています。現代では、ほぼすべての人が何らかの形で舌にストレスをかけているといえます。まさに、下あごのズレとそれにともなう不定愁訴は現代人特有の現代病だといえるのです。

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