ハンガリー中央銀行の教訓に学べ

政権と中銀の緊張関係は日本と類似

与党フィデスは中銀法を改正し、副総裁を影響下に置くことや、金融庁との統合なども視野に入れた。ださすがにIMF、EUの反発で修正を余儀なくされた。もともと議論の稚拙さが目立っていた。しかし、実際の政策決定会合では2011年の人事が効き、総裁、副総裁2名の執行部側が少数派となり、付加価値税引き上げの影響を除いたコアインフレは2%台半ばだが、全体のインフレ率はインフレ目標をかなり上回る状況下で利下げが行われた。

13年3月にシモル総裁は任期切れとなる。政権はマトルチ経済相やシュラーニ元中銀総裁、バルガ交渉担当相らの名を挙げ、市場の反応も考えながら後任を選んでいる。

首相の影響力を強め、共和制の色彩を薄め、憲法裁判所の権限を縮小すべく、憲法も改正された。国名から共和国が取れ、議会が指名する大統領には首相の長年の友人のアーデル氏が就任した。こうした動きにEUも警戒感を強めた。

ただし、返り咲きとあり、首相もしたたかである。11年前期にEU閣僚理事会の議長国を務めた際に、クロアチアのEU加盟と国境での自由な通行を認めるシェンゲン協定のルーマニア、ブルガリア国民への完全適用を後押しした。

旧ユーゴスラビア諸国とハンガリーの間には、第2次大戦中の歴史問題が存在するが、それも緩和ムードである。最近ではスロバキアで首相に帰り咲いたフィツォ首相との関係がよく、緊張が薄れているほか、金融市場が欧州危機で緊張した時にはIMFを巧みに信用補完に用いている。フォリントやCDSスプレッドといった市場の反応を見ながら運営しているようにも見える。政権発足時に気負いすぎた言動で招いたトリプル安によるフォリント安は、輸出増を通じて景気下支えに寄与した。

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