ハンガリー中央銀行の教訓に学べ 政権と中銀の緊張関係は日本と類似

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ハンガリーでも約3年の政権との対立を経て、中銀総裁は任期を全うしようとしている。セルビアでは、昨年の夏に政権交代後の中銀法改正の動きに抗議して中銀総裁が辞任している。我が国でも総裁には毅然として対応して欲しい。

そのうえで今後の総裁には選出の経緯を超えて、中銀の目的との調整は要するものの復興や中長期の成長力にも目配りをして欲しい。日本の将来を決して諦めない強い意志を示し、発信する意欲のある人物であることが総裁としての要件となろう。

 ハンガリーへは体制転換後の1990年代以降に日本企業が進出し、特にスズキは同国にとり大きな存在であり、オルバン首相も信頼を寄せる。ハンガリーに中東欧3か国(ポーランド、チェコ、スロバキア)を加えたヴィシェグラード4か国(V4)と日本は「V4+日本」という対話の枠組みを持つというつながりもある。

そのような両国だが、世界の眼がほぼ同時期の両国の中銀総裁の任期切れに伴う後任選びに注がれており、ここへ来て思わぬ類似性から注目されそうだ。
 

高橋 智彦 拓殖大学 政経学部教授

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たかはし ともひこ / Tomohiko Tkahashi

1987年4月日本生命保険(最終職歴は財務審査部財務審査役)入社。ニッセイアセットマネジメント投資調査部課長、国際金融情報センター欧州・アフリカ部審議役を経て、09年から拓殖大学政経学部教授。

 

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