普通の会社員がAKB48銘柄で1億円儲けた!? この投資法は下落相場でこそ「使える」!

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やはり、事態は急変しました。5月16日、業務中に、証券会社からスマホに着信が入っていました。何かあったのではと急いでトイレに駆け込みました。株価をチェックしてみると、なんと一転売り気配です。午前の時点では急騰していたので安心していたのですが、完全に油断していました。緊急事態のため、トイレの中で売り注文を入れまくりました。スマホでは十分な情報が表示できないこともあり、興奮状態で、息を荒くしながら対応したのを覚えています。

この日は、午前中の時点で資産が前日よりも5000万円増えていましたが、そこからたった数時間で1億円の含み益を失ってしまったのです。翌日以降に、なんとかすべて売り切りました。結果的には新高値をブレイクした初期のころから買っていたので、1億円の利益を確定できましたが、もっと早く売っておけば2億円が手に入ったのです。あまりにも激しい資産変動だったので、気持ちの整理をつけるのに大変でした。

プロにカモられないための教訓

5月27日に、ブランジスタがスマホゲームの詳細を公開しました。「神の手」は、ゲームセンターで人気のクレーンゲームがスマホでできるバーチャル3Dゲーム。ゲットした景品が自宅に届くというのがウリで、第1弾の景品はAKB48選抜総選挙のステージ上の空気を閉じこめた「場空缶」です。

「なんだ、この景品は? 目玉としている神景品なのに、空気を売るのか? こんなゲームに飛びつくユーザーがどのくらいいるのだろう?」

発表されたリリースを読んだときの正直な感想です。モンストもパズドラもゲームが大ヒットしたから株価が上がったのです。ゲームが面白くなければ、企業業績の先行きは真っ暗です。

ところが、このリリースを受けて、下がり続けていた株価が再び上がり始めました。同時に会社が発表した収益イメージの説明(実は非常に楽観的なもの)に反応したのです。

「株価は大きく下げたけど、また盛り返すだろう」

一時的に多くの投資家がそう思ったのかもしれません。でも、これは、企業業績を無視した負ける投資家の発想です。株式投資において、楽観は敵です。ゲームの詳細が発表された以上は、現実的に、ゲームがどれくらい業績に貢献しそうかを考えずに、なんとなく上がるだろうという考えはとても危険です。

6月18日に「神の手」が配信されたので、実際に試してみました。クレーンゲームのリアルさはまったくなく、ゲームとしての魅力をいっさい感じませんでした。景品も、私には興味がないものなので、1回100円のゲームを続けようとは思いませんでした。多くの投資家が同じ気持ちだったのでしょう。株価はその翌日から急落しました。

ブランジスタ株は、株式投資歴13年の私にとっても、いい経験になりました。「この株はもっと上がる」という甘いささやきは、その先に落とし穴が潜んでいるとわかっていても、株価が急騰すると冷静ではいられないのです。売ることの難しさを改めて実感しました。ただ、同時に、私の投資術が、下落相場でも強力に機能することが証明できたのはうれしいことでした。

株式市場全体が厳しいときでも、業績が本当にいい会社は株価を上げます。個人投資家にもしっかり儲けるチャンスがあります。ただし、株価が急騰する銘柄には、プロが大勢集まってきます。プロにカモられることなく、トータルで利益を出し続ける勝つ投資家、負けない投資家になるには、自分が決めたルールに断固従うことが大切なのです。

プロにカモられないための3つの教訓
教訓1 新高値をブレイクした株式を試し買いする
教訓2 株価が急騰したときには、要所要所でさっさと売る
教訓3 甘いささやきにはルールで打ち克つ(感情にまかせて売買しない)

 

DUKE。 個人投資家

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でゅーく。

個人投資家。テクノファンダメンタル派。米国公認会計士。慶應義塾大学を卒業後、東証1部上場企業に入社。管理会計、経営計画に長く携わり、経営陣への収益分析報告の責任者を務める。2003年、結婚と同時に株式投資を始める。手痛い大失敗を繰り返すも、ライブドアショック、リーマンショックを乗り越える。その後、ウィリアム・オニールの投資法に出会い、開眼。以来、自身の「新高値ブレイク投資術」の改善を続けている。2014年、株式投資での累計利益が1億円を突破。2016年の日経平均株価がマイナスに沈む厳しい環境下でも、1億円の利益を達成。家庭では3児のイクメンパパ。好奇心が旺盛で、旅行と新しいことが大好き。将来、宇宙旅行に行く予定。東京おもちゃショーに家族を連れて行くかたわら、玩具会社の銘柄調査や流行チェックを行うなど、楽しみながら一石三鳥の株式投資を実践している。個人投資家に役立つ情報発信を目指して、日々、ツイッターやブログを更新中。著書に『1勝4敗でもしっかり儲ける新高値ブレイク投資術』(東洋経済新報社)がある。

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