ユニバーサルが比カジノ報道で朝日にも抗議 ロイターに続き法的措置検討か

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今回の朝日新聞に対する「見解」発表も、ロイターに対する「見解」発表と主旨がほぼ似ており、ユニバーサルは今後、名誉または信用毀損等に対する損害賠償などの法的措置をとる公算もある。

ロイターの場合は、最初に報道したのが金曜日(11月16日)の市場が引けた後だっため、同日の終値1685円に対して、株価は翌週月曜日(19日)から急落し、火曜日(20日)には終値で1351円まで下げた。2営業日でほぼ20%下げた計算になる。

このため、ロイターや同社記者・編集者に対する提訴者としては、ユニバーサルとともに同社の筆頭株主である岡田ホールディングス合同会社も名を連ね、岡田ホールディングスの保有株の価値毀損分として、損害賠償金額総額金は192億円と巨額になっている(実際に訴訟で請求したのはその一部の2億円)。

朝日の記事では株価が下がらなかったが…

一方、朝日新聞の場合は、報道がなされたのが昨年の大納会(12月28日)の翌々日。大発会(今年1月4日)までは株式市場が休場だったこともあり、ユニバーサルの株価は、大納会終値1485円に対し、大発会では1450円で始まり、取引時間中には1390円まで下げる場面もあったものの、終値は1470円。週明け1月7日の株価も終値1495円だった。

結果的にはユニバーサルの株価は朝日新聞の記事に影響されない推移となっている。株式市場の反応としては、朝日新聞の記事そのものを、いわばロイターが報道済みの新味がないものと受け取ったようだ。それでもユニバーサル側では、名誉毀損など損害賠償の内容はいろいろあるとして訴訟を検討しているもようだ。

ただ、訴訟の提起がなされるとしても、決着はロイターの場合と同様、最終的には米国なりフィリピンの司法当局の調査結果や判断を待つしかなく、なおしばらく時間がかかることは否めない。懸念されるのは、米国、フィリピンでの一連の係争が長引いた場合に、プロジェクトそのものが影響を受けて、遅延や中止などを余儀なくされるケースだろう。

堀越 憲二 東洋経済 記者

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ほりこし けんじ / Kenji Horikoshi

機械、電気機器などの業界を幅広く担当

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