どうなる? 2013年に注目のトップ人事 トップ交代で反転攻勢を図る
難しいオーナーの引退
ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長(63)は、14年2月の65歳の誕生日までに経営を退くと公言している。後継候補はユニクロの国内・アジア事業を統括する大苫直樹氏(52)、欧米事業を統括する堂前宣夫氏(43)、商品政策を監修する中嶋修一氏(49)の3人の上席執行役員だ。柳井社長は、「世襲はしない」と語っているが、リンク・セオリー事業のグローバル会長にゴールドマン・サックス出身の長男・柳井一海氏(38)が就任。三菱商事出身の二男・柳井康治氏(35)も12年9月に入社しており、世襲の可能性もささやかれる。そもそも65歳を過ぎても柳井氏の引退はないというのが大方の予想である。
エスケー化研の創業者、藤井實社長(80)は上場企業でトップ在任期間が最も長い。長男の藤井実広常務(46)、二男の藤井訓広取締役(43)がいるが、14年6月までは続投か。
サンリオも創業社長である辻信太郎社長(85)の長期政権。後継候補は長男の辻邦彦副社長(60)だが、三菱商事出身でハーバードMBAの鳩山玲人取締役(38)も注目。ただ、辻社長が退任しても、経営から完全に離れることはないだろう。
創業者のさがという意味で興味深いのはファナック。稲葉善治社長(64)の父親で、創業者の稲葉清右衛門名誉会長(87)は、取締役でないが、研究本部長と経営本部長を兼任するうえ、国内外の主要子会社の会長を兼任し、全子会社の代表権をただ一人有する最高実力者である。
オーナー系は交代が難しい。
(本誌:企業取材班 撮影:尾形文繁、山内信也、今井康一、梅谷秀司、大隅智洋 =週刊東洋経済 2013年1月12日号)
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