どうなる? 2013年に注目のトップ人事 トップ交代で反転攻勢を図る

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鉄道は主要企業で社長交代はなさそう。JR東海の葛西敬之会長(72)は在任10年目に入る。安倍首相と関係が深く、財界活動など活発化しそうだが、14年のリニア着工までは会長にとどまる公算だ。

注目は任天堂、岩田社長の去就は?

エンタメでは、任天堂の岩田聡社長(53)の去就が焦点。山内溥現相談役というカリスマ経営者にスカウトされ、創業家とは無縁ながら入社2年目で社長に登用されてから11年目に入った。Wiiでの大成功から一転、12年3月期には上場以来初の営業赤字と苦しんだが、昨年末に発売した新型ゲーム機で巻き返しを図る。岩田社長より若い役員はおらず、最低でも2~3年は続投しそうだ。

バンダイナムコホールディングスは石川祝男社長(57)が4年を迎える。15年3月までの中計の前倒し達成も見えており、勇退の可能性がある。後継筆頭は子会社バンダイ社長も兼務する上野和典副社長(59)。

交代が濃厚なのは、ゴルフ場運営最大手のアコーディア・ゴルフ。同業2位のPGMホールディングスに敵対的TOBを仕掛けられている。PGMの目的は両社の経営統合。アコーディアの鎌田隆介社長(65)は、前社長の社内経費流用問題に伴う引責辞任を受けて12年5月に就任したばかりだが、TOBでの株取得の割合が高ければ、TOBに反対している鎌田社長は退任を迫られることになる。その場合の社長候補は社外から招聘する可能性が高い。

国内最大のテーマパーク「東京ディズニーリゾート(TDR)」を運営するオリエンタルランドの上西京一郎社長・COO(54)は3月で丸4年を迎えるが、交代はなさそう。社長を10年務めた後、05年6月から会長・CEOを務める加賀見俊夫氏(77)はTDR開業30周年を終えた14年3月期が節目か。

メディアでは、フジ・メディア・ホールディングスの豊田皓社長(66)は交代の可能性がある。後任として名前が挙がるのが亀山千広取締役(56)と大多亮取締役(54)。亀山氏は、映画事業局長として「踊る大捜査線」などヒット作を手掛けた。大多氏も「東京ラブストーリー」などトレンディドラマの仕掛け人として名高い。近年の視聴率低迷で威光に陰りが見られる最高実力者の日枝久会長(75)の去就にも注目だ。

TBSホールディングスの石原俊爾社長(67)に退任説。後継の本命は信国一朗常務(58)、ダークホースは加藤嘉一取締役(56)。視聴率が好調のテレビ朝日は初プロパー社長の早河洋社長(69)は続投公算。交代があるとすれば、就任丸5年となる14年だが、視聴率を引き上げた立役者、平城隆司取締役(52)が有力候補だ。

日本経済新聞社の喜多恒雄社長(66)が3月で丸5年。後継で名前が挙がるのは小孫茂専務(61)と岡田直敏専務(59)だ。ダークホースとして長谷部剛常務(55)を推す声もあるがまだ若いとの評もある。

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