英国EU離脱で市場は大荒れ、キャメロン首相「辞任の意向」

ポンドは30年ぶりの安値に

 6月23日、英国で、欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票が行われた。離脱派の独立党(UKIP)のナイジェル・ファラージ党首はEU残留になるもようとの見方を示した。(2016年 ロイター/Neil Hall)

[ロンドン 24日 ロイター] - 英国で23日に行われた欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票は、開票が100%終了した時点の得票率が、離脱派が約52%、残留派が約48%となり、離脱派の勝利に終わった。英国の先行き不透明感が強まり、第二次世界大戦後の欧州統合の動きにブレーキがかかった。

キャメロン英首相は、首相官邸前で記者団に対して、10月までに辞任する意向を示した。

世界の金融市場は、2008年の経済危機以来の大きな衝撃に、大荒れとなっている。ポンドは対ドルで10%超安と、1日の下落幅として史上最大を記録。31年ぶりの安値に沈んでいる。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、格付け大手S&Pの幹部は、英国の最上位トリプルA格付けはこれ以上維持できないとの見方を示した。

ユーロ相場も対ドルで3%超下落した。一方、投資マネーは金など相対的に安全性が高いとされる資産に殺到、円は急伸している。

英中央銀行は24日、国民投票の結果を受けて声明を発表し、金融の安定確保にあらゆる必要な措置を講じると表明した。世界の政策当局者も市場の安定支持を図る姿勢を示しており、麻生太郎財務相は24日午後、緊急の記者会見を開き「足元の為替市場では極めて神経質な動きがみられる」と指摘、「必要な時にはしっかり対応する」と語った。

<『独立記念日』>

英国は今後、少なくとも2年間を費やして、EUと離脱に向けた交渉を行うことになる。ロンドンが誇る世界の金融センターとしての立場も揺らぐのは必至だ。

離脱派のファラージ独立党(UKIP)党首は「英国独立に向けた夜明けは近い」と表明。「普通の人々の勝利だ。6月23日は、われわれの独立記念日として歴史に残ることになるだろう」と語った。キャメロン首相に対しては即刻辞任するよう要求した。

<英国分裂の危機>

英国は分裂の危機に直面している。スコットランドでは62%が残留を支持しており、独立の是非を問う住民投票再実施を求める声が強まりそうだ。スコットランドのスタージョン行政府首相は「スコットランドの人々はEUの一部であり続ける意思を明確に示した」と述べた。

北アイルランドの最大のアイルランドナショナリズム政党、シン・フェイン党は、英国からの独立の是非をめぐる投票機運が盛り上がる、との認識を示した。

離脱となった英国民投票の結果を受けて、EU加盟国の一部では、ポピュリズム政党や反移民政党から自国でもEU離脱の是非を問う投票を行うべきとの声が上がり、EUは存亡の危機にさらされている。

フランスの極右政党、国民戦線(FN)のマリーヌ・ル・ペン党首は、英国のEU離脱について「自由の勝利」だとして歓迎。さらに、オランダの極右政党である自由党のヘルト・ウィルダース党首は「われわれは、自身の国、資金、境界、そして移民政策を管理したい」とし、オランダでもEU離脱の是非を問う国民と表を実施すべき、と述べた。

*写真を更新しました。

マーケットの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 仲人はミタ-婚活現場からのリアルボイス-
  • ぐんぐん伸びる子は何が違うのか?
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • 「非会社員」の知られざる稼ぎ方
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
改正対応待ったなし!<br>働き方と仕事の法律

同一労働同一賃金の本格化、中小企業でのパワハラ防止対策の義務化など、今年は重要な改正法の施行が目白押し。2022年に施行される法律の要点に加え、昨年の4月に施行された改正民法も総点検。改正ラッシュへの備えを万全にするための法律虎の巻です。

  • 新刊
  • ランキング
東洋経済education×ICT