バーで、コミュニケーション・トレーニング(上)

ミスしたって大丈夫。それがバーのいいところ。

ワインの歴史は古く、B.C.2500年頃には、ギルガメッシュ叙事詩やエジプトの壁画に描かれたワインづくりの絵などで、生産が確認されています。

その後、B.C.1500年頃には、ギリシャのクレタ島やエーゲ海でもワインづくりが始まりますが、それをヨーロッパ全土に広めたのは、なんといってもローマ人。

領土拡大のため、キリスト教の伝道をさかんに行った彼らが、ミサのため各地でつくったワインに、ヨーロッパ各国のワインのルーツがあるといわれています。

ヨーロッパの二大産地といえば、イタリアとフランス。ですが、イタリアワインが、それぞれの土地の葡萄で、自分たちが飲む酒としてワインをつくってきたのに対し、フランスのワインづくりには、政治的、宗教的な要素の影響が大きく、フランスワインが世界一となったのには、このことが深く絡んでいます。

その代表的なエピソードが、フランスの二大産地、ボルドーとブルゴーニュにおける歴史の違いです。

 

ボルドーは輸出用の農産物、
ブルゴーニュは神への捧げもの。

ワイン好きがよく口にする「ボルドー」と「ブルゴーニュ」は、実は、産地の名前です。「フランスワイン 産地」で検索すると、いろいろな地図が見つかりますので、位置関係はそれで把握してください。

注目すべき点は、フランス南西部、大西洋に注ぐジロンド川沿いに位置するボルドーが、中世にはイギリス、そして18世紀以降はアメリカを中心とする、太平洋交易の拠点として栄えた都市だということです。

中世、百年戦争の時代には、イギリス領であったボルドーに、イギリス向け葡萄輸出の独占権が与えられました。14世紀初頭には、ワインも現在に近い輸出量になっていたということです。

ただ、海洋性気候のボルドーは、雨が多く、単一の品種では気候変動のリスクが大きいため、複数の品種を栽培、ブレンドして仕上げるようになりました。

これに対して、ブルゴーニュワインのルーツは、「神への捧げもの」。

禁欲を貫き、衣服にも一切の修飾をほどこさなかったため、シトー派の修道士は「白の修道士」とよばれました。彼らが、神への捧げものとして、最高の環境(テロワール=土壌)のもと、絶対無二を表すため単一の品種、ピノ・ノワールのみでつくり上げたワインが、ブルゴーニュワインのはじまりです。

どうも、フランスワインというと、銘柄から覚えようとする人が多いように感じますが、それではきりがありませんし、そもそもの成り立ちを知ってから楽しむ方が、味わいもより深くなると感じるのは、わたしだけでしょうか?

 

取材協力:ジェノスワインマーチャント(株)

イラスト:青野 達人

(次回は1月25日(金)掲載。テーマは、「バーでのコミュニケーション・トレーニングは、婚活にも役立つ」です。)


 

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