「いま、ニートの就労支援などに関わっています。お金はもらえませんが本当にやりたいことなんです。会社を辞めるときに妻に相談したら、『辞めていいよ。あなたがやりたいことをやったほうがいい。仕事は私ががんばるから。もっと安い家賃の部屋に引っ越しても構わない。私は公園でも寝られる』と言ってくれました」
固定観念を壊してくれる妻
留美子さんによれば、太一さんは自分が勝手に設定した基準に縛られ過ぎている。年収や住む場所は変動するもので「絶対に落とせない」と考えるのが間違っているのだ。留美子さんは太一さんを縛る固定観念を一つずつ崩してくれている。
「ある意味でモテまくり」だった太一さん。現在は留美子さん以外の女性と飲みに行くことはほとんどなくなった。ときどき前の会社の後輩女性たちの相談にのることはあるが、留美子さんにちゃんと報告している。
「妻は私にとって強力な味方です。肉親以上に信用できる存在だと思っています。失いたくはありません」
このように書いてくると、太一さんが「妻を母親代わりにして働かないダメ男」に堕する危険性を指摘されるかもしれない。しかし、生き生きとした彼と面談するとその心配はないことがわかる。
元来が好奇心旺盛で働き者なので、「無理に稼がなくてもいいよ」と言ってあげたほうがその能力を伸び伸びと発揮できるのだろう。高収入の仕事依存生活には戻らないとしても、2人で助け合いながら暮らしていける道を太一さんはじきに切り拓くはずだ。
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