提案力を徹底比較! ケース別・おススメ生命保険◆50代編(全4ケース)


ケース18◆50代後半【58歳・男・既婚】
定年後は沖縄暮らしが夢、既往症あり

定年後は沖縄に移住してセカンドライフを過ごすのが夢という、58歳男性の会社員。現在の年収は1100万円で、妻は専業主婦。長女はすでに結婚して別居。次女も年内に結婚して別居予定だ。預貯金は1000万円。持ち家のローンは60歳で完済、その後はあこがれの沖縄暮らしが待っている。ただ、4年前に患った胃潰瘍(すでに完治)が気掛かりだ。「保険は保障内容を重視」と考えるこの男性に、生保各社はどんな提案をするか。

既往症があるにもかかわらず、多くの提案が出そろった。もちろん既往症がある場合は、健康状態次第では加入できないか、加入できても条件がつく場合がある。ここで提案が出ていても、現実にはそのとおりに加入できない可能性があるのは言うまでもない。

保険料が最も安いプランを提案したのは損保ジャパンDIY。毎月の保険料は4010円で1年更新。遺族保障額は500万円で、「安心のための死亡整理金程度の保障」という位置づけだ。

アフラックは「死亡保障は不要、葬式代は貯蓄から」というスタンスで医療保険とガン保険の組み合わせを提案した。一方で、AIGスターは「夫婦2人の老後の保障の準備」として、貯蓄目的も含めた終身保険(保険金10万ドル)を提案。太陽も保険金1000万円の定期付終身保険を提案しているが、こちらの終身部分は100万円のみ。残りは80歳までの保障となる。

では、フィナンシャルプランナーの見方はどうか。まず、このケースの保障内容について、和泉昭子氏は「2人の娘はともに結婚することから、死亡保障は不要。貯蓄もあるので、医療保障も原則不要」と言い切る。三輪鉄郎氏も「持ち家で貯蓄もあることから保険で用意する死亡保障は不要。60歳で住宅ローンも完済できることから、沖縄でのセカンドライフの生活設計(住まいの用意や生活費)が、自宅の処分と退職後の収入で賄えるような無理のないプランにできれば、安心感が高まる」とほぼ同意見。ただし、「貯蓄もあり退職金も見込めるので病気への備えはある」と見る三輪氏に対して、和泉氏は、「沖縄へ移住となると、貯蓄や退職金の一部を吐き出す可能性があること、いざというとき娘たちの支援をアテにできないことから、介護・ガンの保障を準備しておくと安心」と言う。特に「公的医療保険制度は、今後70代以上の高齢者の自己負担が重くなるので、今から加入するなら終身タイプがお勧め」(和泉氏)。

FP・井上信一氏は「貯蓄額を考えれば死亡保障は不要」と言いつつも、「生活費推定額が月44万円と高額なので、万一の生活費について再検討が必要」と考える。井上氏が算出した死亡保障必要額は1400万円。ただ、既往症がある状況では、この保障額を提案する生保が見当たらないのも事実だ。

さらに「本人も保障内容重視と言うが、年金生活に入ってから月2万円を超える保険料は負担が大きい。各社の提案を見ても、この年齢からの加入は、今後20年の保険料支払い総額が400万円前後の負担となるプランが多いので、どんな場合にも利用できる「自家保険」として預貯金を持っているほうがよいかもしれない」と和泉氏は言う。

このような条件下ではどのような保険提案がよいのか。和泉氏が選んだのは東京海上日動あんしんのメディカルミニ。「入院日額1万円に終身医療保障がつく。ただし、既往症の関係で、不利な条件になるなら、あえて加入する必要はない」。三輪氏は「保険料を抑えた終身の医療保障がお勧め。住友やアフラックのプランがリーズナブル」と言う。井上氏が勧めるのはアフラックのEVER。ただし入院日額は5000円で十分だという。

このケースでは、既往症への対応を見ながら、掛け金をできるだけ抑えたプランが有効といえそうだ。

■各社のお勧めプラン(画像をクリックすると拡大表示します)

【表(各社のお勧めプラン)の見方】
●社名:緑は通販型、紫はコンサル型(生保系および一部の外資)、紫はコンサル型(損保系)●商品名:各社が提案する商品名。複数の商品を使った提案や他社の商品を使った提案もある ●月保険料:原則として月払い保険料、商品が複数の場合は合計額 ●払込期間:保険料の払込期間。保険料更新型の場合は更新までの期間。主契約と特約、あるいは複数の商品間で期間が異なる場合は、主契約または主力と判断される商品(特約)について記載 ●保険期間:保障が終了するまでの期間、以下払込期間と同じ ●保障内容:各社から回答があった保障内容を記載。スペースの都合上、掲載しきれない場合は原則として回答内容の重要度を勘案して文末から削除 ●勧める理由:各社の提案理由を記載

【調査について】
3月下旬に主要生保に統一書式でアンケートを依頼、21社から回答を得た。(回答会社:日本、第一、住友、明治安田、三井、富国、太陽、朝日、かんぽ、アリコ、アフラック、アクサ、ソニー、オリックス、東京海上日動あんしん、損保ジャパンひまわり、損保ジャパンDIY、三井住友海上きらめき、AIGエジソン、AIGスター、チューリッヒ)。既往症の有無やプロファイル情報の多寡を理由に一部未回答のケースもあるが、基本的には回答があった全内容を掲載した。 (注)他の生保商品や企業の保障制度の加入は無視の前提。アカウント型商品(保険料の一部を積み立てておき、貯蓄としての活用や、将来の保障変更時の原資とする)の場合は、原則として積立金を最低限にした提案。既往症があるモデルケースについては、既往症の程度についての各社のスタンスが異なるため、加入に際しては販売員やコールセンターに確認する必要がある

(週刊東洋経済 4月26日号より)

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