安倍氏が変われば、日本が変わる 日・中・韓で見た歴史問題

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本年、最後のお話はギリシャ人の友人が話してくれたギリシャとトルコとの関係についてだ。数百年間に渡ってオスマントルコに支配されたギリシャ人はトルコと歴史的に関係が悪く、また両国の教科書でも一方的なことばかり書かれて認識に深いギャップがあり、両国民の間も長きにわたって険悪であった。

しかし、しばらく前から急激に両国の間で、特に若者の間で交流が進み、今ではトルコとギリシャの間で国際恋愛や国際結婚が急増したという。これは両国の政治家に未来志向の政治家が誕生して関係改善を主導したから……ではなく、経済交流が進んでビジネス上の必要性が生じたから……でもなく、単にトルコとギリシャでつくった合作のトレンディドラマがきっかけだったらしい。

ギリシャでもトルコでも日本でも中国でも韓国でも、政治的理由で政治家は緊張を高めるものだ。しかしところ違えど、両国友好に向けた大きな流れはドラマや食文化、旅行などを通じて、普通のわれわれ一般市民が大きな力を持っているのである。

いろいろなことがあった12年の国際関係であるが、来たる13年、各国の新指導体制の下、北東アジア3国の友好関係がさらなる飛躍の年を迎えることを祈念している。

皆さん、厳寒の毎日が続いていますが、風邪をひいたりしていませんか。おせち料理や年賀状の準備はすませましたか。ひょっとしてコラムを読むのに熱中されて、おやかんの火を消し忘れてたりしていない? さぁ、みかんを玄関の棚から持ってきて、御家族で炬燵を囲んで、除夜の鐘を待ちましょう。

一人で過ごしていても大丈夫。私がはるか世界の彼方から親愛なる読者の皆様に愛情を込めて、このコラムをお届けしています。

2013年、皆様にすばらしい、実り豊かな一年があることを心からお祈りしつつ、本年最後の寄稿とさせていただきます。良いお年を、祝新年快楽、そして새해 복 많이 받으십시오(セ・ヘンボッ・マニパダシプシヨ:多くの幸せをお受け取りください=韓国語版年末のご挨拶)

ムーギー・キム 『最強の働き方』『一流の育て方』著者

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Moogwi Kim

慶應義塾大学総合政策学部卒業。INSEADにてMBA取得。大学卒業後、外資系金融機関の投資銀行部門にて、日本企業の上場および資金調達に従事。その後、大手コンサルティングファームにて企業の戦略立案を担当し、多くの国際的なコンサルティングプロジェクトに参画。2005年より外資系資産運用会社にてバイサイドアナリストとして株式調査業務を担当した後、香港に移住してプライベート・エクイティ・ファンドへの投資業務に転身。英語・中国語・韓国語・日本語を操る。著書に『世界中のエリートの働き方を1冊にまとめてみた』と『一流の育て方』(母親であるミセス・パンプキンとの共著)など。『最強の働き方』の感想は著者公式サイトまで。

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