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日本銀行は民意に応えられるか? 市場動向を読む(為替)

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  • 高島 修 シティグループ証券チーフFXストラテジスト
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重要なことは、1990年代に入ってから、日米のインフレ格差とドル円の下落率がともに年率平均2%弱でピタリと一致していることだ。長期的に見れば、過去20年ほど、ドル円相場は購買力平価的な日米のインフレ格差を忠実に織り込んできたに過ぎない。日米のインフレ格差を是正しなければ、長期的な観点での円高是正は困難である。

12年2月のバレンタイン緩和とともに、日銀は「物価安定の目途」を1%に設定したが、事実上、FRBは2%のインフレ目標を持っている。日銀が1%の物価目標を設定するということは、毎年1%の円高ドル安を日本が受け入れると宣言したに等しかった。逆に、今回、日銀が2%のインフレ目標を導入することになれば、それは長期円高を終結させると宣言するに等しい意義を持つことになる。

貿易収支赤字化で円高防止宣言には良いタイミング

当然、現実的な問題は、それを具体的に達成する手段、それに恐らくは戦略・戦術をも、日銀が持っていないということだ。ただ、昨春の震災の影響もあって、幸か不幸か、貿易収支が赤字化して、日本の国際収支は過去例を見なかったほどに悪化が進んでいる。円高是正は従来に比べれば、行いやすい環境になってきている。実際、日米金利差が0%で円高ドル安が止まると言う、過去に経験したことないことを、過去1年、我々は目の当りにしてきた。

デフレが円高を招くと言う因果関係とは逆に、円高がデフレを招くと言う因果関係もあったはずだ。円高是正をバネにデフレを克服し、デフレが円高を招くという悪循環を断ち切れる可能性もあるだろう。その意味では、日銀が2%のインフレ目標を設定し、事実上の円高防止宣言を行うには、偶然にも良いタイミングなのかもしれない。

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