民間も社会的責任持ち生活者支援に取り組め

ヤマトホールディングス 木川 眞社長に聞く

──具体的な取り組みは。

すでに当社は岩手県内の複数拠点で、生活支援サービスのトライアルを開始している。高齢者宅に簡易端末を設置し、彼らが発信ボタンを押せば、当社のコールセンターを介して買い物の手配や健康状態のチェックなどが可能で、必要ならば病院にもつなぐシステムだ。

特に医療分野は住民サービスの中でも喫緊の課題。医療を物流の視点で効率化できないかを考えていく。たとえば、高齢者が薬を受け取るのに、長い時間をかけて病院まで行かないといけない。患者の立場から考えれば、理不尽な現行規制を緩和して薬を届けられる仕組み作りが必要だろう。

また、地域活性化では、鳥取県・境港の港湾機能に当社の総合流通基盤を加え、海外と地元の中小企業との部品調達・販売の流通支援を行っている。大切なのは、地方自治体がやる気になってくれることだ。われわれは黒子としてお手伝いする。

──日本企業全体の成長に物流がテコとなりえますか。

物流の進化・抜本改革が中長期的に日本の再生の切り口につながるとわれわれは信じている。それには政治の変革も必要だが、われわれ自身がまず変わらねばならない。

そのため2013年度から、創業100周年を迎える19年度までに、大きく四つのプロジェクトを実現させる計画を進めている。

第一に、海外での宅急便ネットワークの拡充だ。特にアジア市場への展開強化がカギ。台湾での成功を踏まえ、シンガポール、上海、香港、マレーシアなどで拡充、ほかのアジア地域にも広げていく。二つ目は13年9月に立ち上げる羽田の総合物流ターミナルを軸にした、新たな物流の仕掛け作りだ。たとえば、海外から輸入した半製品を最終加工する製造機能を保税エリアに付加したり、手術に使うインプラントを必要に応じて洗浄、滅菌、保管、デリバリーする機能などが考えられる。単なるストック型のロジスティクスではなく、物が一気通貫していける通過型の物流システムだ。

第三には、沖縄を国際物流のハブとして、アジア一円を翌日配送エリアにするサービス。12年11月からスタートしたが、今は書類だけだ。13年度には水産食品も含めてクール便の小口貨物輸送を始める計画で、大きな物流改革の一つになる。四つ目は東名阪間の当日配送だ。これは13年にまず関東圏の物流拠点を神奈川県内に立ち上げる。その後順次、中部圏と関西圏にも拠点を設立し、16年をメドに本格稼働させる計画が進んでいる。

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