心が強い人は「ムダな考え」を消している 要らない「妄想」をなくす方法教えます

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妄想はさらに続きます。

「○○さんは自分と比べて優秀でうらやましい。でも○○さんは自分よりあれができない。なぜ自分ばかり責められるんだ。ああむしゃくしゃする。○○で憂さを晴らそう」――。

こうして心は、ムダな反応の嵐に巻きこまれていきます。

では「正しい考え方」では、どうなるでしょうか。きっとこうなります。

「失敗は失敗。でもそこに反応してもしかたがない。大事なのは貢献だ。今から何ができるだろう? 頑張って信頼回復をめざそう。回復できるだろうか……いや、それは人(相手)次第だ。相手の評価は相手にゆだねて、今できることを精一杯やろう――」

こう考えると、ムダな反応に振り回されずに、「今できること」に集中することになります。

つまり「ムダな思考」と「正しい思考」とは、その後の展開がまったく違ってくるのです。となると必要なのは、「ムダな思考を止める方法」と「正しい考え方」です。

これぞブッダ究極の智慧?思考グセを止める秘密の方法

「ムダな思考を止める方法」の基本は、「心の反応に気づく」ことです。「あ、私は怒りを感じている」「あ、これは妄想だ」と、一つひとつの反応に気づくこと。

コレ、まじめに実践すると、かなり効果があります。過去の記事や前著『反応しない練習』でも書いたので、ぜひ参考にしてください。

今回紹介したいのは、「言葉抜き」という方法です。これは「考えすぎるアタマを止める」、かなり実践的な方法です。こんなふうにやります――。

まずは、窓の外に広がる昼間の空を見上げてみましょう。「空が広がっている」と言葉にしてみます。
ちなみに、「空」も「広がっている」も、ひとつの言葉(概念・思考)です。人間は、言葉によって、見聞きするものに意味を作り出しています。それが「考える」ということです。
では、その言葉を「抜く」作業をしましょう。次の言葉を声に出して読んでみてください(「……」の部分は無音、つまり沈黙です)。
「空が広がっている」
「……が広がっている」
「……が……ている」
「……ている」
「……」
はい、最終的に「……(無音)」になりましたね。アタマの中の言葉が消えたら、ひとつの思考が消えたことになります。仏教にいう「無心」に近づいたということです。
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